戦時中の商標

こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木 徳子です。

今日は終戦記念日ですね。

太平洋戦争の開始から終結までの期間(1941年12月8日から1945年9月2日まで)の商標出願について調べてみました。IPDL(特許電子図書館)では124件の商標がヒットしました。

その内容をみると、「PANSCO/パンスコ」「KAPMIN/カプミン」「テピドン」「NEOPADRIN/ネオパドリン」「SALOMETHYL/サロメチール」など薬剤系の商標や、「樋屋製薬」など製薬会社の会社名(略称)の登録件数が多いです。やはり、戦時中ということが大きく関係しているのでしょう。

意外だったのは、「ヒロポン/PHILOPON」(登録第364236号の1)という商標が現在でも登録維持されていたことです。「ヒロポン」といえば、悪名高き覚醒剤の代名詞として認識していたのですが、ウィキペディア情報によると、大日本住友製薬(旧大日本製薬)のメタンフェタミンの商品名だそうです。日本薬局方(厚生省が定めた医薬品の規格基準書)の医療用医薬品の覚醒剤として未だに処方薬として残っているそうです。また、PHILOPONという語はギリシャ語の「労働を愛する」という言葉に由来するそうです。

今日は、戦時中「ヒロポン」に頼らざるを得なかった人々や当時の状況に思いを馳せたいと思います。

今日は以上です。

 

 

 

 

 

 

 

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鈴木 徳子