同人マーク

こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。

お盆休みも終わり、今日から仕事再開です。

 

昨日のニュースで、「クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの活動母体であるコモンスフィアが同人活動に関する著作権の意思表示ツール『同人マーク』のデザインを決定した」と報道されました。報道内容によると、デザインは「創作の意味のペン先とOKの意味の丸を組み合わせた」ものだそうです。(下記ご参照)

無題

 

ここでいう「同人」とは、マンガ同人のことを意味します。いまや、マンガは日本の世界に誇れる文化です。通常「コミケ」といわれるコミックマーケットは世界最大の同人誌即売会ですが、今年の8月10日~12日の3日間、東京ビックサイトで開催されたコミケの来場者数は過去最大の59万人だったそうです。

同人誌というのは素人の方がマンガを描くことが多く、ストーリーやキャラクターを全てオリジナルで描くというのは難しいため、既存のマンガのパロディ作品が多いようです。

しかし、日本はパロディに対しては寛容ではありませんので、著作権との関係で問題となってきます。パロディ作品は翻案権と著作者人格権の侵害の可能性を含んでいます。

このように問題のある同人誌ですが、今の人気のあるマンガ家も同人出身であったり、同人文化を通じてマンガの人気がでるという背景もあり、事実上、マンガ家もパロディ同人誌に対しては、黙認しているというのが今の現状です。

 

しかし、TPP交渉の結果、著作権侵害が非親告罪化された場合は、パロディ同人誌は、いち早く槍玉に挙げられて警察の摘発の対象になるかもしれません。今回の「同人マーク」は著作権侵害の非親告罪化の対応策として、著作者が二次創作を許容するという意思表示をするために設けられたものです。

フランスではパロディ法というのがあり、パロディを公に認めているそうです。日本では昨年、文化審議会でパロディワーキングチームを設けました。ようやく重い腰を上げて真剣に検討し始めたようです。今後の成り行きを見ていきたいと思います。

今日は以上です。

※画像引用先:http://commonsphere.jp/archives/320

 

 

 

 

 

 

 

 

この記事を書いた人

鈴木 徳子