こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。

2020年夏季五輪の東京招致が決定しましたね!久々に明るいニュースです。ただ、被災地の復興も滞りなく行ってほしいと思っています。

さて、本題に入ります。今日も、昨日に引き続きオリンピックネタです。商標異議申立事件(異議2010-900314)のご紹介です。

商標法4条1項6号は、国、地方公共団体等の著名な標章の登録を認めないことを規定しています。ただし、本人が出願する場合は、この規定は適用されません(商標法4条2項)。

したがって、都道府県をはじめ、オリンピック、IOCなどの標章を、関係のない者が出願しても商標法4条1項6号が適用されて登録が認められません。

事件の概要は、次のとおりです。

下の画像の登録第5336468号商標「図形/YAKITOLYMPIC/やきとリンピック」(指定役務 第41類「セミナー又は講演会の企画・運営又は開催、やきとりに関するイベント・博覧会又はシンポジウムの企画・運営又は開催」)に対して、IOC( 国際オリンピック委員会)が異議を申立て、その結果、登録取消に至ったというものです。IOCは、日本においても第41類の役務について、「オリンピック」、「OLYMPIC」および、五輪の図形に関し商標権を所有しています。

YAKITOLYNPIC

異議申立ての根拠としては、前述の4条1項6号の他に、公序良俗違反の商標法4条1項7号、商標類似に関連する商標法4条1項11号、15号、19号の規定が挙げられておりました。

特許庁は、商標を構成する欧文字「YAKITOLYMPIC」の部分が「OLYMPIC」を含んでいることから、著名な「OLYMPIC」標章と類似すると判断して、商標法4条1項6号違反で、登録を取り消しました。

なお、この権利者は、IOCから異議申立てを受けた後に、別途、(「YAKITOLYMPIC」の文字を削除し、輪の数を5個から7個に変更した)「図形/やきとリンピック」の形で第41類の役務を指定して出願・登録されています(登録第5566064号)。IOCは、この商標に対しても、同じような理由で異議申立てをしておりますが、特許庁は、「やきとリンピック」の文字から「オリンピック」の称呼・観念が生じることはなく、図形部分も五輪マークとは明らかな相違があると判断し、IOCの主張は受け入れられませんでした。

↓ 登録第5566064号                ↓ IOCの登録商標第3264562号

やきとリンピック五輪

 

 

 

 

 

今日は以上です。

 

画像引用先:特許電子図書館