新しいタイプの商標ー「音」商標と文字商標の関係

こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。

昨日、特許庁のHPに商標制度小委員会の報告書「新しいタイプの商標の保護等のための商標制度の在り方について」が公表されましたのでお知らせいたします。

商標制度小委員会は、商標制度に関する法制的な課題について検討を行ってきましたが、今回の報告書は、これまでの審議の結果をまとめたものです。

詳しくは、こちらをご覧ください。

⇒ http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/shiryou/toushin/toushintou/shohyo_bukai_houkoku1.htm

 

まず、議題となっている新しいタイプの商標のうち、「動き」「ホログラム」「輪郭のない色彩」「位置」「音」については、新たに商標の保護対象とすべく、検討が進められております。新しいタイプの商標は、すでにお隣韓国や台湾でも導入済みであり、保護対象に含めるのが国際的趨勢となっています。

 

上記報告書で興味深かかったのは、文字商標の音声的使用の部分です。

登録されている文字商標について他人が音声として発する行為は、現行商標法では商標の「使用」の定義(第2条第3項)に該当しないため、商標の使用に該当せず、商標権の効力が及ばないと考えられます。しかし、今後は「音」が商標の定義に含まれることにより、文字商標の音声的使用が「音」の商標の使用となる場合があり、登録文字商標の商標権(禁止権)が行使できるようになる可能性があります。また、「音」の商標の使用行為については、今後整備することが適切であると報告書には述べられています。

 

今後、音商標と文字商標との類否判断をどうするのか、出願・登録された商標を検索するシステムはどうするのか、などいろいろと検討事項がありそうですね。

今日は以上です。

 

この記事を書いた人

鈴木 徳子