国家資格「一級知的財産管理技能士(ブランド専門業務)」について

 

こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。

先日、ブランド法務に関する国家資格「知的財産管理技能検定1級(ブランド専門業務)」が新設されたという報道がありました。資格名は「一級知的財産管理技能士(ブランド専門業務)」です。試験は2014年3月から実施されるそうです。

詳しくは知的財産教育協会のサイトをご覧ください⇒ http://www.kentei-info-ip-edu.org/1brand

 

上記サイトを見ると、受験者像について、以下のような記載があります。

・・・広く「ブランド担当者=企業内のブランマネジメント及び法務(商標・意匠とそれに関連する契約等)に携わる者」を想定しています。具体的には、企業内におけるブランド法務マネージャーや商標・意匠グループ責任者、ブランドを総括する責任者や経営企画担当者等です。・・・

 

イメージとしては、企業のマーケティング戦略部門に携わる人に、ブランドに関連する法律知識を習得してもらうという感じでしょうか。

たとえば、ブランド戦略の一つとして、ネーミングがありますが、せっかく付けた商品やサービスのネーミングも、商標法の知識がなければ、他人の商標権を侵害することになりかねません。

特に、法務部が無いような中小企業において、危ないネーミングの使用例が多く見受けられます。「自分のところみたいに小さい会社は商標権侵害だと訴えられることはない」とおっしゃる社長さんも実際にいました。

知財の保護は、会社にとって後回しになることが多く、権利者と名乗るものから警告書が送られてきて初めて知財の重要性に気付くケースがよくあります。

知財の啓蒙活動の一端として、特に中小企業の方にも、この国家資格を利用してもらえればよいなと思います。

 

逆に、商標専門の弁理士も、マーケティングの知識(ブランディングの知識)が必要ではないかと思います。私自身、企業のマーケティング活動に携わった経験がありますが、常日頃、商標はマーケティングだと考えています。

ネーミング決定のプロセス一つとっても、市場環境や商品・サービスのターゲットを考える必要がありますし、海外展開する可能性があるのであれば、進出先の宗教や文化の知識も必要となります。商標担当者には、単に法律の知識のみならず、雑学を含め、広い見識が必要だと思います。

今日は以上です。

 

 

 

 

 

 

この記事を書いた人

鈴木 徳子