警察官キャラクター商標の扱い – 商標法4条1項7号

 

こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。

昨日の記事に引き続き、今日も、商標法4条1項7号について書いてみようと思います。

 

今日は、警察官のキャラクターの商標が問題となった事案です(不服2013-6492)。

出願人は、下記のキャラクターについて、第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤,紙製包装用容器,プラスチック製包装用袋,紙類,文房具類,印刷物,写真,写真立て」を指定商品として商標出願しました。

警察官審査段階では、警察官を描いたものと容易に想起させ、社会公共の利益に反するとして商標法4条1項7号に該当するという理由で拒絶となりました。

これに対し、出願人は拒絶査定不服審判を請求し、最終的には登録を認められています。

当審の判断は、次のとおりです。

「警官を模したキャラクターを表す図形であるとしても、そのことによって、本願商標をその指定商品について使用した場合に、請求人をあたかも警察と関係があると誤信するとはいえず、それ以外に警察と関係があると誤信するとの事情は見出せない。その他、本願商標をその指定商品について使用することが社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するものというべき事情も見出せない。」

 

 

ところで、この出願人は(有)有富商会といい、警察関係者のみが購入できる警察クッズ販売店でした。

⇒ http://www.mametan.com/index.html

今回、審判で原査定が取り消されて登録に至っのは、このような事情があったのではないかと思います。

この出願人は、他にも複数の警察関係の登録商標を所有しています。

 

サイトを見てみると、警察限定キティや警察限定こち亀グッズ、白バイグッズなど、マニアが見たら喉から手が出るほど欲しい商品が勢ぞろいです。

本当に警察関係者しか購入できないのだろうかと思い、注文フォームを見てみると、警察署名や所属部課名など警察署情報を入力させるシステムとなっていました。

手に入らないと思うと、逆に欲しくなりますね。。

 

今日は以上です。

 

※画像引用先:特許電子図書館

 

この記事を書いた人

鈴木 徳子