商標の識別力:記述的商標について – 2

 

こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。

先日の記事で、商標の識別力について書きましたが、今日はその続きです。

 

先日は、エバラ食品工業株式会社の商標「蒸し鍋のたれ」が識別力がないという理由で拒絶査定となった事案のご紹介でした。

今日も、食品つながりで、商品「バウムクーヘン」(第30類)を指定する商標(下記画像)に関する事案をご紹介します。

バウムクーヘン左の商標をどう思われますか?

私は、この商標を見たとき、真ん中がハート型になっているのが、普通のバウムクーヘンの形状とは異なり、ユニークだと思いました。

どうやって、ハート型にするのだろう、、と作り方を想像しました。

 

 

 

この商標、審査段階では「格別特異な形状とも認められず、本願商標に接する取引者・需要者は商品の形状として認識するに止まる」と判断され、識別力を欠くという理由で商標法3条1項3号に基づき拒絶査定となりました。

 

出願人はこれを不服として審判を請求しました。

審判では、中央の貫通穴がハート型であることが特異な形状であり、需要者が指定商品「バウムクーヘン」を購入するかしないかを決定する上での標識とするに足る程度に十分特徴的であると判断しました。

また、本願商標が、商品の形状を表示するものとして取引上普通に使用されている事実もないという事情も考慮し原査定を取り消し、上記商標は登録すべきものと判断しました。

妥当な判断だと思います。

 

今日は以上です。

 

※画像引用先:特許電子図書館

 

 

 

 

この記事を書いた人

鈴木 徳子