”ジェネリック”でも、医薬品ではなく、ジェネリック家具の話です

”ジェネリック”でも、医薬品ではなく、ジェネリック家具の話です

こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。

最近、地元密着型の家具店が少なくなってきたと思いませんか?

全国展開する家具店やスウェーデン発の家具店が勢力を増してきてから、めっきり姿を消したように思います。

家具をネットで購入するという需要者の購入スタイルの変化も影響しているのでしょう。

 

ところで、ジェネリック家具というのをご存じでしょうか?

意匠権が切れた有名デザイナーの家具を、正規メーカー以外のメーカーが再生産した家具をいいます。オリジナルの家具とデザインは同じでも、低価格で販売されています。

新薬の特許権が切れた後に、他のメーカーから販売される後発医薬品をジェネリック医薬品といいますが、コンセプトは同じです。

 

ちなみに、「ジェネリック」の言葉の由来については、ウィキペディア(後発医薬品の説明文)に次のような記載がありました。

【後発薬は、期限切れになった先発医薬品の特許内容を基に作られることから、同じ有効成分の医薬品でも後発医薬品は複数存在し、その商品名は会社によって異なる。医薬品の有効成分は一般名(generic name) で表せるので、欧米では後発医薬品を処方するのに一般名を用いることが多い。そのため、後発医薬品に対して「ジェネリック医薬品」という言葉が使われるようになった。】

 

ということで、有名デザイナーが手がけた家具が実際に意匠登録されているのかを調べてみました。(将来的にジェネリック家具になるかもしれません。)

特許電子図書館で、世界に誇る日本人デザイナーの川上元美さん(http://www.motomi-kawakami.jp/bio.html)が「創作者」となっているソファやテーブルなど検索してみると複数の意匠権がヒットしました。

テーブル1例えば、画像のテーブルは意匠登録されているものです(登録No.1477213)。

 

このように、有名デザイナーが手掛けた家具も意匠権で守られていますが、意匠権が切れた後は、原則誰でも同じようなデザインの家具を製造販売することが可能になります。

 

ところで、家具卸売業の社長さんから聞いたことがあるのですが、そこで取り扱っている椅子は(人間の体重を想定して)55キロの重りを椅子に載せて、8000回も耐久テストを行うそうです。

消費者が想定外の使い方をすることも考えられますから、一度でも事故を起こされて新聞報道されると信用がガタ落ちになるため、細心の注意を払っているそうです。

ジェネリック家具も、安くてデザインがよくても、品質に問題がある場合もあるかもしれません。購入の際は、品質に信頼がおける所から購入したいですね。

今日は以上です。

 

この記事を書いた人

鈴木 徳子