試験問題と著作権について考える

こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。

この前、大学入試センター試験が終わりましたね。

受験生や親御さんたちは、とりあえずホッとしたのではないでしょうか。ま、これからが本番ですから、まだまだ気はぬけないと思いますが。

 

ということで、今日は試験問題と著作権について考えてみたいと思います。

今年のセンター試験の国語の問題を見てみました。何やら難しそうな長文です。

文末には、(齋藤希史『漢文脈と近代日本』による)という表示がされています(※「齋藤希史」の表示には「さいとうまれし」のフリガナがついています)。

調べてみると齋藤希史さんは大学の教授で、今回問題に使用された著書「漢文脈と近代日本」は、サントリー学芸賞を受賞していました。

 

今年のセンター試験の国語の問題には、齋藤希史さんの著書の文章が出題されています。

このように試験問題で、既存の著書を利用する場合、事前に著作権者の許諾が必要なのでしょうか?

 

試験問題は秘匿性が高く、事前に問題が漏れることは避けなければなりません。

したがって、著作権法では一定の場合には、事前に著作権者の許諾を得ることなく、試験問題に著作物を複製等することを認めています(著作権法36条1項)。

ただし、業者のテスト問題など、営利目的の場合には、事後に著作権者に対し補償金を支払う必要があります(著作権法36条2項)。

 

なお、試験問題に著作物を利用する場合には、出所の明示が必要ですし(著作権法48条)、著作者の意に反する改変は認められません(著作権法20条)。

今日は以上です。