関与成分量が足りず自主回収を行った事例

関与成分量が足りず自主回収を行った事例

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

抹茶以前のブログで、特定保健用食品(トクホ)の許可が取り消された事例について書きましたが、今回は、消費者庁が行った特定保健用品買上調査※により、機能に関与する成分の含有量が、許可申請書の記載通りに含有されていなかったことを指摘されたために、自主回収を行った事例について書きます。

平成28年度特定健康用食品買上調査の調査結果はこちら

対象商品は、次の2つの商品です。

販売者商品名申請者関与成分
大正製薬株式会社ドゥファイバー 粉末スティック<グアーガム>株式会社佐藤園グアーガム分解物(食物繊維として)
株式会社佐藤園緑の促茶株式会社佐藤園グアーガム分解物(食物繊維として)

(上記2つの製品の製造者は、株式会社佐藤園です。)

大正製薬のHPによると、「製品自体の安全性上の懸念はないと判断しており、現在までに本件に起因すると考えられる健康被害等の報告はございません。」と記載されており、安全性には問題はないようです。

また、株式会社佐藤園のHPでも、「製品自体の安全性上の懸念はないと判断しており、現在までに本件に起因すると考えられる健康被害等の報告はございません。」と記載されており、安全性には問題はないようです。

これらの商品は、原料に静岡県産のお茶を使用しているようです。お茶ですので、天候等の影響によっては、関与成分の生成量が少なってしまい、結果的に商品に含まれる関与成分量がトクホで認められた量に満たなくなってしまったのかもしれません。

植物工場ではなく露地栽培で生産している農産物を使ったトクホ商品では、このようなことが起こる可能性があるのかもしれません。
(それでもキチンと品質管理をしていればこんなことは起こらないと思いますが。)

特定健康用食品や機能性表示食品には、このようなリスクもあるようです。

これらの食品を製造する食品製造業者は、普通の食品製造業者以上に、キチンと品質管理を行う必要がありそうです。

ところで、特定保健用食品や機能性表示食品に関する特許が取得しやすくなりました。
その情報はこちら

特定保健用食品や機能性表示食品に関して、特許の取得を考えている方は是非弊所にご相談ください。

今日は以上です。

※特定保健用品買上調査とは、特定保健用食品の販売後の事後チェックとして、関与成分が許可時の規定値を満たしているかを把握する調査をいう。

追記:大正製薬の対象ページが削除されたので、そのリンクを削除

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