パインアップルの新品種

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

今回は、沖縄県が育成したパインアップルの新品種について書きます。

パインアップルの写真

「サンドルチェ」ではありません

いきなりですが、種苗法という法律をご存知でしょうか?
植物の新品種の保護を定めた法律です。

新しいものを保護する法律というと特許法を思い浮かべる人も多いと思いますが、植物の新品種を特許登録するのは非常に難しいです。
(説明は省きますが、一般的に植物の新品種は”進歩性がない”として登録されにくいです。ただし、DNAを特定した植物の新品種を除きます。)

そこで、植物の新品種を保護する法律として種苗法が設けられています。

さて、ここから本題なのですが、今回沖縄県が育成したパインアップルの新品種が登録されると共に、この新品種に使用する商標も商標登録されたようです。

ちなみに、品種登録されると、その品種が有する主な特性が公表されるのですが、この品種は、次のような特性(一部抜粋)を有しているようです。

項目内容
作物区分 果樹
農林水産植物の種類Ananas comosus (L.) Merr. (和名:パインアップル種)
出願品種の名称及びその読み沖農P17(よみ:オキノウP17 )
出願番号29925
出願年月日 2015/02/09
出願公表の年月日2015/07/27
登録番号 25572
登録年月日2017/01/19
品種登録の有効期限 25年
品種登録者の名称及び住所沖縄県 (900-8570 沖縄県那覇市泉崎1丁目2番2号)
登録品種の植物体の特性の概要草姿は斜立、草丈は短、生体重は軽、冠芽発生数は中、冠えい芽発生数は無、冠芽の奇形の発生率は低、えい芽発生数は中、茎長は中、茎の太さは中、葉長は短、葉幅は中、葉厚は中、とげの密度は無、果形は円筒、果実の大きさは中、果実の長さは中、果実表面の色は黄橙、小果の数は多、小果の大きさは軽、果皮の厚さは中、果肉の色は淡黄、果芯の太さは中、甘味はかなり高、酸味は中、香気は中、肉質はやや硬、種子の多少は無、開花期は中、収穫期は中、成熟日数は短、日焼指数は中、裂果は少である。   出願品種「沖農P17」は、対照品種「N67-10」と比較して、吸芽発生数が多であること、とげの密度が無であること、甘味がかなり高であること、糖酸比が高であること等で区別性が認められる。対照品種「サマーゴールド」と比較して、草姿が斜立であること、冠芽の形状が斜立であること、葉色が濃緑であること、肉質がやや硬であること等で区別性が認められる。
登録品種の育成経過の概要「ゆがふ」に「サマーゴールド」を交配し、選抜したものである。

これを見てもよく分からないと思いますが、今回品種登録された新品種は、糖度が19度以上(従来品種は15度前後)で、収穫期が長く(5月~10月)、裂果や病害発生が少ない他、葉にトゲもなく、栽培・収穫が容易な品種のようです。

また、この品種に対して使用される次の商標も商標登録されています(果樹などの新品種を保護するには、種苗法による品種保護だけでは不十分なことが多く、商標による保護も活用することが多いです)。

商標登録番号:第5932315号
商標:サンドルチェ
指定商品:冷凍野菜、冷凍果実、加工野菜及び加工果実、野菜(「茶の葉」を除く。),果実,飼料,種子類,木,草,苗,苗木,花

沖縄県は、これらの権利を駆使して、このパインアップルの新品種を保護・ブランド化しようとしているようです。

この品種がどのような味をしているのか、食べてみたいですね!

弊所では、商標法だけでなく、種苗法のご相談も承っております。
これらの法律に関し、何かありましたら遠慮なくお問い合わせください。

今日は以上です。