商品・サービスの宣伝広告を考えるときに役立つ資料4

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

今回は、2017年7月14日に消費者庁が公表した資料(打消し表示に関する実態調査報告書)をご紹介します。

打消し表示の例

引用:打消し表示に関する実態調査報告書

事業者は、自己の販売する商品・サービスを一般消費者に遡及する方法として、断定的な表現や目立つ表現などを使って、品質等の内容や価格等の取扱い条件を強調した表示(強調表示)を行うことがあります。

さらに、強調表示の内容の一部に例外などがあるときには、その例外などがある旨を表示(打消し表示)をすることもあります。

この際に、打消し表示を分かり易く適切に行わなければ、強調表示は、一般消費者に誤解され、不当表示として不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)上の問題となる可能性があります。

また、強調表示と打消し表示とが矛盾するような場合には、一般消費者に誤認され、景品表示法上の問題となる可能性があります。

そこで、今般打消し表示の実態調査を行い、景品表示法上の考え方を整理し、この実態調査報告書を取りまとめました。

さて、この実態調査報告書の内容ですが、次のようになっています。

  1. 調査の目的
  2. 調査の方法
    1. 調査期間
    2. 表示物の収集及び分析
    3. 消費者意識調査
      1. Webアンケート調査
      2. グループインタビュー調査
    4. 研究会
  3. 打消し表示の実態
    1. 打消し表示の類型
    2. 各媒体における打消し表示の実態
      1. 打消し表示の類型別収集状況(全体)
      2. 打消し表示の表示位置・タイミング
      3. 打消し表示の文字サイズ
      4. 打消し表示と強調表示の文字サイズのバランス
      5. 打消し表示の文字と背景の色
      6. 動画広告における強調表示及び打消し表示の方法
      7. 動画広告における強調表示及び打消し表示の文字数
      8. 動画広告における打消し表示の表示時間
    3. 打消し表示一般に対する一般消費者の認識
      1. 打消し表示に対する普段の意識
      2. 普段どれくらい打消し表示に意識を向けているか
      3. 打消し表示を読まない理由
  4. 打消し表示の態様と景品表示法上の考え方
    1. 表示方法に問題のある打消し表示
      1. 基本的な考え方
      2. 表示方法に関する調査結果
      3. 景品表示法上の考え方及び各要素についての留意事項
        1. 全ての媒体に共通して問題となる表示方法
          1. 打消し表示の文字の大きさ
          2. 強調表示の文字と打消し表示の文字の大きさのバランス
          3. 打消し表示の配置箇所
          4. 打消し表示と背景との区別
        2. 動画広告において問題となる表示方法
          1. 【動画広告】打消し表示が含まれる画面の表示時間
          2. 【動画広告】強調表示と打消し表示が別の画面に表示されるか
          3. 【動画広告】音声等による表示の方法
          4. 【動画広告】複数の場面で内容の異なる複数の強調表示と打消し表示が登場するか
        3. Web広告において問題となる表示方法(Web広告において、強調表示と打消し表示が1スクロール以上離れているか)
    2. 表示内容に問題のある打消し表示
      1. 例外型の打消し表示
      2. 別条件型の打消し表示
      3. 追加料金型の打消し表示
      4. 試験条件型の打消し表示
  5. まとめ
    1. 景品表示法上の考え方
    2. 事業者における留意点
    3. 消費者が注意すべきこと
    4. 今後の対応

この実態報告書は、95ページにもわたる大部なものとなっていますので、忙しい実務担当者がこれを最初から読むのはなかなか大変だと思います。
そこでまず、「5.まとめ」から読むことをお勧めします。

まとめには、調査結果を踏まえた、打消し表示に対する景品表示法上の考え方がまとめられています。

次に、その考え方を前提とした事業者における留意点がまとめられていますので、この部分をよく読んだ方が良いと思います。

そして、実際の広告を具体的に検討する際に、「4.打消し表示の態様と景品表示法上の考え方」の対応する箇所を読む方が効率的だと思います。

ただし、明確な基準などは記載されていませんので、最終的には会社ごとの基準で景品表示法に抵触する恐れがあるかないかを判断するしかありませんが。。

事業を行う上で、広告・宣伝は重要な位置を占めていますので、それが景品表示法上の違法と判断されることは会社の信用に大きく響きます。また、昨年に導入された課徴金制度による課徴金の支払いを命じられる可能性もあります。

ちなみに、この資料の最後には、「景品表示法に違反する事案に接した場合には、厳正に対処うこととする」と記載されています。

今回紹介した資料は、そのような状態にならないために役立つものと思います。
是非ダウンロードして活用してください。

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今日は以上です。