特許異議の申し立ての状況について

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

今回は、特許庁から平成29年6月末時点での特許異議申し立ての状況が公表されたので、それについて書きます。

特許異議申し立てというと、一旦平成15年特許法改正により無効審判に統合されましたが、平成26年特許法改正により復活したという変遷をたどった制度です。

現在の特許異議申し立て制度の概要は、次のようになっています。

申立期間特許掲載公報発行の日から6カ月
申立人適格何人も
申立理由公益的事由
審理構造審判合議体による書面審理
申立単位請求項ごと
職権審理申し立てない理由についても審理可能
権利者の手続関与取消理由通知がなされた場合に意見書・訂正請求可
申立人の手続関与特許権者より訂正請求がなされた場合に意見書の提出可
複数の申立てがある場合の手続原則として審理を併合
一事不再理適用なし
料金特許無効審判よりも低廉
不服申し立て取消決定に対してのみ東京高裁に出訴可

(引用:「平成26年 特許法等の一部改正 産業財産権法の解説」, P76)

そして、この制度のメリットとしては、無効審判と比較して、申立人による手続負担やコストを軽減させつつ、権利者側および申立人双方の意見を提供する機会を拡充することにより、強く安定した権利の早期設定が可能となるという点になります。

さて、この制度の現在の状況ですが、平成29年6月末日時点における申立件数は、累計で2,240件となり、そのうち1,305件(約58.3%)が最終処分となっています。

内訳は、平成27年に申立てがされた事件については約96.7%が、平成28年に申立てがされた事件については約60.6%が、平成29年に申立てがされた事件については約14.5%が、それぞれ最終処分に至っています。

特許異議申し立て処理状況

引用:特許庁HP

無効審判との併合前の特許異議申し立て件数は3,000件を超えていたので、まだ以前の制度の特許異議申立て件数には戻っていませんが、徐々に増えて来ているようです。

何れは、以前の制度の特許異議申立て件数と同じくらいの申立件数になるのかもしれません。
上述しましたが、特許異議申し立て制度は、原則として書面審理を採用しているので、無効審判と比較して申立人の負担が少なくて済みます(会社名を出さずに申立することも可能です)。

事業の障害になりそうな特許出願が特許された場合(ただし、公開特許公報が発行されてから6ヵ月以内のものに限ります)には、特許異議申し立てを行ってみては如何でしょうか?

弊所では、特許異議申し立て手続の代理も行っております。
特許異議申し立てについて何かありましたら遠慮なくお問い合わせください。