地理的表示における日EU・EPAの影響

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

農林水産省の資料によると、日EU・EPAの大枠合意を受けて、農林水産省が、地理的表示に関してEU側と調整して保護内容について合意したようです。EUの国旗
そこで、今回は、その合意内容について書きます。

対象となる地理的表示は、EU側が71産品で、日本側が48産品になります(2017年12月現在)。

保護内容としては、産品への表示だけでなく、広告・インターネット等のサービス的な名称使用についても、以下のような場合は、GI侵害として、地理的表示の使用が禁止されます。

  1. 消費者に真正の地理的表示産品と誤認させるような名称の使用
  2. 明細書(産地・品質基準・生産方法等を示す文書)に沿わない産品に関して、次のような場合であっても、地理的表示の侵害とする。
    1. 申請の産地を記載している場合
    2. 翻訳、音訳である場合
    3. ~種、~タイプ、~スタイル等の表現を伴う場合

また、地理的表示の保護の前から使用されていた、同一・類似名称(先使用)について、日EU・EPA発効後、7年間の経過期間を経た後は、地理的表示の使用を禁止されます。

ただし、次のような表示は地理的表示の保護の対象外となるようです。

  1. 複合語のGIの一部が普通名称と認識されているものについて、当該部分には
    地理的表示の保護は及ばない
    例:カマンベール、ブリー、エメンタール、モッツァレラ、プロヴォローネ、チェダー、エダム、ゴーダ
  2. 複合語を構成する一部の単語について類似名称ではないため地理的表示とし
    て保護しないことを確認したもの
    例:グラナ・パダーノ、ペコリーノ・ロマーノ、ニュルンベルガー・ブラートブルスト/ローストブラートブルスト、モルタデッラ・ボローニャ
  3. ハードチーズの「パルメザン」については、日本の流通実態を踏まえ、実質的
    に別のチーズと認識されており、地理的表示の保護の対象外
  4. 品種名称として同一名称が使用されている産品については、品種としての名称
    使用は地理的表示の保護の対象外
    例:ヴァレンシア・オレンジ、カラマタ、ロッシャ

もし、上記対象外となるもの以外で地理的表示に該当する表示を行っている場合には、そのまま使えるかどうかを農林水産省に問い合わせた方が良いと思います。

地理的表示の相互保護がより現実味を増してきました。
日本で地理的表示に登録されることにより、外国(現時点ではEUのみ)でも費用をかけずに保護される可能性があるなんて、地理的表示保護制度は素晴らしいですね!

弊所では、地理的表示申請代理サービスも行っております。
申請中の案件でもご相談いただけますので、お気軽にご相談ください。

ご相談はこちら

今日は以上です。