製造物責任法に関する訴訟情報について(2018年)

製造物責任法に関する訴訟情報について(2018年)

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

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故障したPCライセンス契約書等をチェック・作成をしていると、製造物責任に関する条項を見る機会があると思います。

今回は、その条項を作成する際に役立つ資料として、製造物責任法(PL法)に関する訴訟情報が集められたWebページをご紹介します。

このWebページには、消費者庁が把握した製造物責任(PL)法に関する訴訟情報が掲載されています。

具体的には、次の3つの情報が掲載されています。

  • PL法関連訴訟一覧(訴訟関係)
  • PL法関連訴訟一覧(和解関係)
  • PL法論点別裁判例

PL法に関する訴訟情報としては、何れの資料も非常に役立つものですが、ライセンス契約書等をチェック・作成する際には、PL法論点別裁判例が特に役立ちます。

この資料には、条項別に、各条文のどこが論点となったかについて簡潔にまとめられています。

例えば、第2条3項の欄において、「製造業者として表示をした者・製造業者と誤認させるような表示をした者」という項目で、赤外線ドーム両下肢網状皮斑事件が取り上げられており、
『被告販売会社は、本件ドームを製造した者ではなく、また、本件ドームのコントローラー、ボックス及び本件取扱説明書の表紙の「●●」との商標は、商標のみが表示されており、製造業者として明示されているものではないが、電化製品には販売業者ではなく製造業者の商標が記載されることが圧倒的に多いことからすれば、「●●」との商標は、被告販売会社が本件ドームの製造業者であると誤認させるような表示(製造物責任法二条三項二号)であると認められる。
・・・したがって、被告販売会社は、製造物責任法上の「製造業者等」に当たるというべきである。』
という、裁判所の判断も記載されています。

裁判例はあくまでその事案の判断が記載されているだけなので、この判示をどう解釈すべきかは、判決書を実際に読み込む必要がありますが、膨大な裁判例のうちPL法に関する裁判例が論点別にまとめられていることは非常に価値があると思います。

実際にPL法の裁判に関与している人だけではなく、ライセンス契約書等の契約書を作成・検討している人にも非常に役立つ資料だと思いますので、是非読んでみてください!

弊所では、PL法も考慮したライセンス契約書等の作成も承っております。
ライセンス契約書等で何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。

追記:リンク先が変更になったので、リンク情報を削除すると共に、最新情報のブログ情報を追加(2020/6/25)

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