著作権法を知りたい方は、まず「著作権テキスト」を!(2018)

著作権法を知りたい方は、まず「著作権テキスト」を!(2018)

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

以前のブログでご紹介した著作権テキストが改訂(平成30年度版)されましたので、今回はそれについて書きます。

著作権法テキストの表紙
引用:著作権法テキスト

著作権テキストとは、著作権法の所管官庁である文化庁が作成した著作権法の入門書になります。

多くの図や表が取り入れられていて、かつ具体例も記載されているので、法律の解説書としては比較的読みやすくなっています。
(全部で120条以上ある著作権法をこれだけコンパクトにまとめるのは大変だったと思います。)

著作権法テキスト(平成30年度版)はこちら

さて、内容ですが、次のような目次(平成30年版)となっています。

  1. 知的財産権について
  2. 著作権制度の沿革
  3. 著作権制度の概要
    1. 著作者の権利(著作権)
    2. 著作隣接権
    3. 「伝達的な行為」をする者の権利
  4. 著作者の権利
    1. 著作物
    2. 著作者
    3. 権利の内容
      〔参考〕プロバイダ責任制限法について
    4. 保護期間
      〔参考〕旧著作権法下における著作権の保護期間について
      〔参考〕映画の著作物の著作権の保護期間に関するこれまでの裁判例について
  5. 著作隣接権
    1. 実演家の権利
    2. レコード製作者の権利
    3. 放送事業者の権利
    4. 有線放送事業者の権利
    5. 保護期間
  6. 外国の著作物等の保護
    1. 著作権関係条約の原則
    2. 著作権および著作隣接権関係条約の内容
      〔参考〕Ⓒマークについて
    3. 近年採択された、又は現在検討中の条約
    4. 海賊版対策について
  7. 他人の著作物を「利用」する方法
    1. 原則として権利者の「了解」を得る(「契約」する)
      〔参考〕「自由利用マーク」について
      〔参考〕「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」について
    2. 「了解」を得なくてよい場合
    3. ビジネスとして利用する場合のその他の仕組み
    4. 著作権関係団体
  8. 著作物等の「例外的な無断利用」ができる場合
    1. 「私的使用」,「付随対象著作物の利用」等
      〔参考〕 私的録音録画補償金制度について
      〔参考〕 映画の盗撮の防止に関する法律について
      〔参考〕 違法配信からの私的使用目的のダウンロードについて
    2. 「教育関係」
    3. 「図書館・美術館・博物館等」関係
    4. 「福祉」関係
    5. 「報道」関係等
    6. 「立法」「司法」「行政」関係
    7. 「非営利・無料」の場合の「上演」「演奏」「上映」「口述」「貸与」等関係
    8. 「引用」「転載」関係
    9. 「美術品」「写真」「建築」関係
    10. 「コンピュータ・ネットワーク」関係
    11. 「放送局」「有線放送局」関係
  9. 著作権が「侵害」された場合の対抗措置
    1. 「刑事」の対抗措置
    2. 「民事」の対抗措置
    3. 著作権の侵害とみなされる行為
    4. 紛争解決あっせん制度
  10. 登録制度について
    1. 登録の種類と効果
    2. 登録の手続
  11. 索引
    1. 用語
    2. 略語

内容的には、2017年版とほぼ同じものとなっています(ページ数もほぼ同様です)。

以前のブログにも書きましたが、著作権法全体を理解したい人は最初から読んで行けばよいと思いますが、時間のない方は、4の著作者の権利、7の他人の著作物を「利用」する方法および8の著作物等の「例外的な無断利用」ができる場合を読んでください。

これらの章を読めば、どのような場合に著作物を無断で利用できるかについて、ある程度判断できるようになると思いますので、著作権法に興味のある方は是非ダウンロードしてください。なにより無料です!

ただし、複雑な前提条件がある場合等、このテキストだけでは判断できない場合もありますので、そのような場合には、著作権に詳しい弁理士や弁護士に相談することをお勧めいたします。

なお、このテキストを使った著作権セミナーも全国で開催されるようです。
著作権セミナー(平成30年度)のスケジュールはこちら

弊所では、著作権に関するご相談も承っております。
何かありましたら、是非ご相談ください。

今日は以上です。

この記事を書いた人

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