特許庁も特許権を保有しています

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

特許庁のプレスリリースによると、特許庁自体が特許(特許第6691280号)を取得しました。今回はこの特許について書きます。

その特許発明の内容は、世界中の特許文献を、希望する言語や特許分類(例えば、日本語および日本の詳細な特許分類であるFIを用いて、一括して検索することを可能とする特許文献検索システムやそのための管理システムというものです(下図参照)。

特許第669128号の図1

引用:特許第669128号公報

この特許発明を実施したシステムは、特許庁内部の審査に用いる検索システムとして実際に利用されているようです。

この特許は、2020年1月22日に出願され、2020年3月10日に登録査定が通知されています。
1カ月半程度で登録査定が通知されるなんで、ものすごく早く審査されていますね!

なぜ特許庁が特許を取得する必要があるのか?と思う人も多いと思いますが、第三者が同様の発明をし、それに特許が付与されると、特許庁の検索システムを差し止められる可能性があり、特許審査に甚大な影響を及ぼす可能性があります。

そこで、特許庁は、上記のプレスリリースに記載されているように、

  1. 特許文献検索システムを安定的に自己実施できるようにすること
  2. 国内ユーザーや諸外国の特許庁等に広く安心してこの特許技術を活用頂くこと

を目的として、このシステムを特許にしたようです。
(特許にすることによって、特許公報が公表されるので、この発明は既に公知ということになります。その結果、第三者がこの発明について特許を取得することはできなくなくなりました。)

近年は、権利意識が高まっており、例え公的機関に対しても権利行使(差止請求や損害賠償請求)が成される可能性があることから、特許庁は自ら特許を取得するということにしたのかもしれません。

ちなみに、このシステムには、「アドパス」という名称が付けられているようで、「アドパス」「ADPAS」についてについて国内商標登録出願(商願2019-103296、商願2019-103297)、およびマドプロ出願による国際商標登録(国際登録番号 1492696)が成されています。

特許庁自体が知的財産権を取得するなんて、面白いですね!

ちなみに、現時点(2020年11月中旬)において、この特許に対し、10月29日に異議申立が成されているようです(異議2020-700850号)。
(登録日が2020年4月14日なので、異議申立期間ギリギリに申立てが行われたようです。)

どのような理由で異議申立が出されているのか分かりませんが、結果が分かりましたらご報告いたします。

弊所では、特許出願、商標登録出願、国際商標登録出願に関するご相談だけでなく、異議申立に関するご相談も承っております。

何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。