お酒の産地表示と商標

こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の鈴木徳子です。

先日(7月末)、山梨県甲府で国産ワインコンクールが開催されました。

そこで、今日は酒ネタでお話をしようと思います。

 

商標法にはお酒の産地表示に関する第4条第1項第17号という規定があり、たとえば、鹿児島県産ではない「しょうちゅう」について「薩摩」という表示や、山梨県産ではない「ぶどう酒」について「山梨」を表示する商標の登録は認められません。

 

また、指定商品等がお酒でなくても、「シャンパン」や「ボルドー」という表示を含む商標は下記のとおり取消されています。

 

●商標「シャンパンタワー」(指定役務:第43類「飲食物の提供,加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,テーブル・テーブル用リネンの貸与,ガラス食器の貸与,タオルの貸与」)

⇒商標法第4条第1項第7号の規定に該当するという理由で登録無効になりました(無効審判2011-890100)。

無効理由としては、①著名な「Champagne(シャンパーニュ又はシャンパン)」の表示へのただ乗り(フリーライド)及び希釈化(ダイリューション)を生じさせるおそれがある。②シャンパーニュ地方のぶどう生産者及びぶどう酒製造者はもとより、国を挙げてぶどう酒の原産地名称又は原産地表示の保護に努めているフランス国民の感情を害するおそれがある、というものでした。

 

●商標「アジアンボルドー」(指定商品:第3類「化粧品,せっけん類,香料類」)

⇒商標法第4条第1項第7号の規定に該当するという理由で取消になりました(異議2008-900081)

取消理由は「シャンパンタワー」と同様に、著名な「BORDEAUX」「ボルドー」表示へのただ乗り、希釈化、フランス国民の感情を害するおそれがあるというものでした。

 

お酒の産地表示の商標への使用については、十分な注意が必要です。

今日は以上です。

 

 

 

 

 

 

 

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鈴木 徳子