こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。

先日、商標の使用主義国の権利保護に関するセミナーに行ってまいりました。

商標権の発生について登録主義使用主義という2つの考え方があります。

まず、登録主義は権利が登録により発生するという考え方で、使用主義は権利が使用により発生するという考え方です。日本は登録主義国です。したがって、商標出願をして特許庁の審査を経て、登録されて初めて商標権が発生します。使用主義を採用している国としては、アメリカやフィリピンなどがあります。

 

セミナーではアメリカを例にとって、使用主義の考え方を説明していただきました。

アメリカには連邦商標登録制度があります。しかし、あくまでも商標権は使用により生じ、コモンロー(蓄積された判例や慣習)で保護されます。連邦商標登録は公権による保護という補完的な意味合いであるということです。

では、なぜ連邦登録するかというと、さまざまなメリットがあるからです。たとえば、連邦登録すると出願日からアメリカ全域で商標を使用していたとみなされますし、第三者に権利を告知したものとみなされますから、コモンローによる保護と比べて安定的な権利を得ることができます。

 

アメリカは使用主義国ゆえに、商標出願の際に商品や役務をかなり具体的に指定する必要があります。ちなみに、アメリカに出願すると必ずといってもよいほど商品や役務を、より具体的に記載するようにという指令が出されます。

制度の異なる使用主義国の米国法制を理解するのは困難なのですが、商品等を具体的に指定することが、権利範囲を狭めるということでは決してありません。

 

アメリカの出所の混同(Likelihood of Confusion) の考えに基づき、指定商品等の実際の使用を通じ、権利範囲はより広く解釈されます。セミナーでは、これについて、「商品等は『点』で指定し、権利は『面』でおさえる」と説明がありました。なるほど、わかりやすい説明だな、と感心しました。

(登録主義の)日本では、最初にできるだけ広く権利範囲をおさえておいて、他人の使用を排除するのが通例ですが、使用主義を採用するアメリカでは、商品(役務)は実際に使用する具体的なものだけを指定しておいて、権利行使では広く解釈して他人の使用を排除するということですね。

 

今日は以上です。