特許庁の先取り商標出願対策

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

以前のブログで、一部の出願人から、他人の著名な商標の先取りとなるような出願等が大量に行われていることに対し、特許庁が異例の注意喚起を行ったと書きましたが、このような出願に対し、特許庁がさらなる対策を公表したので、それについて書きます。

昨年から、一部の出願人が、「PPAP」等の著名な商標に関して大量の商標登録出願(全出願の10%以上)を行っていることがマスコミに取り上げられたので、ご存知の方も多いと思います。

単に大量の商標登録出願を行うことは全然問題ないのですが、この出願人は、出願時にかかる費用(出願手数料)を支払っておらず、出願日から半年後に、ほとんどの商標登録出願が出願手数料未納という理由で出願却下となっているようです。

一方、特許庁としては、出願手数料を支払っていなくても出願却下が確定するまでは、その商標登録出願は生きていると取り扱わざるを得ません。

その結果、後に同一または類似の商標を本当に使用したいと考えて、商標登録出願をしても、上述した商標登録出願(手続上の瑕疵のある出願)の存在によって、特許庁から拒絶理由通知が出されてしまいます。

そして、その拒絶理由通知を見た出願人は、商標登録をあきらめてしまうことが多いようです。

このように、本当に使用したいと考えている人が、商標登録できないことが問題となっています。

そこで、今回特許庁は、「手続上の瑕疵のある出願の後願となる商標登録出願の審査について(お知らせ)」を公表しました。

このプレスリリースを見ると、後願の出願人への拒絶理由通知には、「拒絶理由となる先願が手続上の瑕疵のある出願に該当し、当該先願となる出願の却下を確認次第、登録査定を行う」旨を明示的に記載するという運用に変更したようです。

拒絶理由通知にこのような記載があると、商標登録をあきらめる出願人が減るのではないでしょうか?

また、特許庁は、上記の拒絶理由を通知しても、「審査官が先願の出願却下を確認次第、登録査定(他の拒絶理由がない場合)を行う」ようです。
(拒絶理由通知に対して反論しなくても、このような運用がなされるのかはよく分かりません。)

特許庁の運用のイラスト

引用:特許庁HP

特許庁も、キチンと対策を考えてくれていたようですね!。

なお、手続上の瑕疵のある商標登録出願の出願人が、出願手数料を支払った場合には、通常の出願として取り扱われますので、その点については留意してください。

弊所では、拒絶理由通知が届いた段階でもご相談を承っております。
何かありましたら遠慮なくお問い合わせください。

今日は以上です。