海外で先取りされた商標登録を取り消すために利用できる補助金をご存知ですか?

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

特許庁が、中小企業に対して、海外で先取りされた商標登録を取り消すためにかかる費用の一部を助成する中小企業知的財産活動支援事業費補助金(冒認商標無効・取消係争支援事業)をご存知ですか?
今回はこの補助金をご紹介します。

毎年特許庁が行っている事業(冒認商標無効・取消係争支援事業)の1つですが、今年(平成29年度)も募集(JETROのHP)しています。

応募資格は、次の9つの条件を満たす必要があります。

  1. 中小企業基本法に基づく中小企業の要件を満たす法人であること
  2. ジェトロ以外の機関から、 同一の冒認商標取消に要する費用につき同様の補助(海外知財訴訟保険の支払い対象となる案件を含む。)を受けていないこと
  3. 本事業終了後3年の間に判決、和解などの係争に係る進展があった場合は、ジェトロに対して報告義務を負えること
  4. ジェトロと常に連絡を取れる担当者が置けること
  5. 申請書類提出前に、原則、申請者及び弁護士等の代理人と、ジェトロ本部(東京)にて面談の機会を設けること。
  6. 対象国で第三者が既に出願または登録済みの冒認商標と同一・類似の商標権を日本国内で有していること
  7. 冒認商標無効・取消係争により、申請者に何らかの被害が生じている又は生じる可能性が高いこと
  8. 冒認商標が無効・取消になった後、申請者自身で当該国に出願又は事業活動を行う意思があること
  9. 冒認商標への対応策が十分に検討されていること

これらの条件を満たして、採択されると、支援期間中に行った次の対策費用の総額の2/3(上限500万円)に対して補助金が出ることになります。

  • 冒認商標を取り消すための、異議申立、無効審判請求、取消審判請求、訴訟等に要する費用
  • 1 に要する弁護士、弁理士等の代理人費用(和解金・損害賠償金は含まれない)

ただ、気をつけて欲しい点は、下記の図に記載されているように、費用を支払った後で補助金が支給されることです。すなわち、まず上記の費用を自己負担した後に補助金が支払われること(後払い)になりますので、資金繰りに注意してください(先払いと勘違いされている方もいます)。

冒認商標無効・取消係争支援事業のスキーム

引用:特許庁HP

上記9の条件を満たすために、どの程度の対策が必要になるのか分かりませんが、中国、韓国、台湾等で冒認商標※が登録されていた場合には、是非この補助金を活用して対応してください。

既に有名になっている商標を使えないのは、ビジネスを行う上で大きなハンデになります。

是非この補助金を活用して、冒認商標を排除してください。

なお、受付期間が限定されていますので、注意してください。
JETROの応募受付期間(平成29年8月時点)は、
2017年10月31日まで
となっています。

弊所では、海外での冒認商標対策のサポートも行っております。
何かありましたら、是非弊所にご相談ください。

今日は以上です。

※冒認商標とは、悪意の第三者が、外国において、ブランド名等を先取出願・登録することをいう。