不正競争防止法を知りたい方は、まず「不正競争防止法テキスト」を!(2019)

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

不正競争防止法テキスト2019の表紙

引用:不正競争防止法テキスト2019

不正競争防止法テキスト2019」が公表されていますので、今回はこれについて書きます。

「不正競争防止法テキスト」とは、以前ブログで紹介した「不正競争防止法の概要」の後継資料のようで、不正競争防止法の所管官庁である経済産業省が作成した不正競争防止法の入門書になります。

経済産業省が作成したテキストですので、信頼性が非常に高いものです。

不正競争防止法テキスト2019はこちら

さて、このテキストですが、「不正競争防止法の概要」と同様に、次のような目次となっています。

  1. 不正競争防止法の概要
    1. 不正競争防止法の目的
    2. 不正競争防止法の沿革
    3. 我が国法体系上の位置づけ
    4. 不正競争防止法の体系(法律の全体構成)
    5. 不正競争行為類型の概要
      1. 周知表示混同惹起行為
      2. 著名表示冒用行為
      3. 形態模倣商品の提供行為
      4. 営業秘密の侵害
      5. 技術的制限手段 無効化装置等提供行為
      6. ドメイン名の不正取得等の行為
      7. 誤認惹起行為
      8. 信用棄損行為
      9. 代理人等の商標冒用行為
    6. 適用除外
    7. 国際約束に基づく禁止行為の概要
    8. 民事上の措置の概要
    9. 刑事上の措置の概要
    10. 関税法に基づく水際措置の概要
  2. 参考資料
    1. 秘密情報の保護ハンドブック~企業価値向上に向けて~
    2. 誤認惹起行為における過去の裁判例
    3. 民事的措置の知的財産法間の比較
    4. 不正競争防止法に関する参考資料一覧
  3. 不正競争防止法条文<右開き>

ちなみに、このテキストですが、昨年の法改正により導入された「限定提供データの不正取得等」についても、イラストを交えて分かり易く説明されています。

限定提供データのイメージ・説明

引用:不正競争防止法テキスト2019

ただ、分かり易さを優先させるために、厳密さをある程度犠牲にしているところも見受けられます。

そういう場合には、以前のブログでご紹介した「逐条解説 不正競争防止法」をご覧ください。

あと、このテキストでは、新たに誤認惹起行為にける過去の裁判例が追加されました。
具体的には、次のような表示に対する裁判例になります。

  • 「○○風」といった打消しを伴う表示(本みりんタイプ調味料事件-京都地判平2.4.25)
  • 認定・保証があるかのようにした表示(清酒特急事件-最判昭53.3.22)
  • 周知著名な商標の一部となっている地名表示(モズライトギター事件-知財高判平220.8.28)

宣伝広告で使いがちな表現ですので、広告関係の業務をされている方は是非ご覧になってください。

このように、このテキストは、不正競争防止法に関して非常にコンパクトにまとまっているので、不正競争防止法を最初に学ぶ際にはちょうど良い資料だと思います。

ただし、複雑な前提条件がある場合等、このテキストだけでは判断できない場合もありますので、そのような場合には、不正競争防止法に詳しい弁理士や弁護士に相談することをお勧めいたします。

弊所では、不正競争防止法に関するご相談も承っております。
何かありましたら、是非ご相談ください。

今日は以上です。