「大学ファクトブック2020」が公表されました

「大学ファクトブック2020」が公表されました

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

一昨年昨年に引き続き、今年も「大学ファクトブック2020」が公表されましたので、今回はこれについて書きます。

大学ファクトブック2020の表紙
引用:大学ファクトブック2020

「大学ファクトブック2020」はこちら

大学ファクトブックとは、「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン」に基づく取組の状況や産業界との連携実績などのデータを「見える化」するためにまとめられたものです。

今回ご紹介する「大学ファクトブック2020」は、最新のデータを基に内容を更新したものになります。

さて、このファクトブックの内容ですが、各大学ごと(国立大学、公立大学、私立大学)に、次の情報が掲載されています。

  1. 基礎情報(大学全体の経営理念における産学官連携活動の取組方針、大学の得意分野とその具体例、産学官連携活動において今後重点化したい事項)
  2. 産学連携担当部署の体制
  3. 外部資金(共同・受託研究実績)
  4. 特許出願・活用実績
  5. その他の体制整備(URA、各種規程類の整備状況、産学連携へのインセンティブ、クロスアポイントメントの実績)
  6. ベンチャー支援体制(インキュベーション施設の空き状況等)
  7. 産学官連携を目的とした主なイベント・外部の展示会等
  8. 組織的産学連携活動
  9. 組織的産学連携活動の取組事例、産学連携活動の主な実用化事例

これらの情報を見れば、どの大学が、どの分野において共同研究等に積極的か否かが分かると思います。

例えば、次の「Ranking 項目別ランキング:共同研究」には、①民間企業からの研究資金等受入額、②民間企業との共同研究実施件数がグラフ化されており、どの大学がどのような状況になっているか一目で分かるようになっています。

Ranking 項目別ランキング:共同研究のグラフ
引用:大学ファクトブック2020

また、Technical Field Ranking IPC技術分野別出願動向ランキング順には、次に示すように、IPC(国際特許分類)技術分野別の出願動向ランキングが掲載されており、どの大学が、所定の技術分野で特許出願数が多いか一目で分かるようになっています。

Technical Field Ranking IPC技術分野別出願動向ランキング順の表
引用:大学ファクトブック2020

これらの情報から、共同研究先として有望な大学を探し出すことができるのではないでしょうか?

ちなみに、慶応義塾大学は、次のようなデータが掲載されています。

慶応義塾大学のデータ
引用:大学ファクトブック2020

詳細は、大学ファクトブック2020をご覧になっていただければ分かりますが、慶応義塾大学の基礎情報としては、次のように記載されています。

  • 大学の得意分野とその具体例
    長寿・安全・創造の3つの文理融合研究クラスターを核とした研究領域(先端再生医療、健康長寿社会創造、次世代情報通信技術、地域再生や地球規模の環境・リスク改善、その他、超成熟社会発展に伴う複合的課題)
  • 産学官連携活動において今後重点化したい事項
    • オープンイノベーション
    • 国際共同研究
    • インキュベーション支援
    • 各種規程の整備

そして、慶応義塾大学の特筆すべき点は、民間資金が多い(14,974,191千円)!ということが挙げられると思います。

慶応義塾大学は、名門の医学部を有していることから、必然的に民間資金が多くなるのかもしれません。

このファクトブックには、このように共同研究を検討する上で必要となる情報が各大学ごとに、コンパクトにまとめられています。

大学との共同研究を考えている方は、是非目を通して見てください。
各大学の共同研究費の相場?のようなものも分かりますよ!

弊所では、共同研究契約からライセンス契約まで、知的財産に関する契約書の作成から交渉代理まで幅広いサポートを行っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。

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