訂正審判等における通常実施権者の承諾要件の廃止に関する制度周知リーフレット

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

訂正審判等における通常実施権者の承諾要件の廃止に関する制度周知リーフレット

引用: 訂正審判等における通常実施権者の承諾要件の廃止に関する制度周知リーフレット

以前のブログに記載したように、令和3年特許法改正により、 訂正審判等における通常実施権者の承諾要件の廃止されることになりました。

このことを周知させるためのリーフレットが特許庁より公表されましたので、今回はそれについて書きます。

「訂正審判等における通常実施権者の承諾要件の廃止に関する制度周知リーフレット」はこちら

特許のライセンスに関わったことがない方はあまりピンと来ないかもしれませんが、ライセンス契約を作成する法務部や知財部の方にとっては実務的に重要な法改正になります。
(だから、特許庁はこのリーフレットを作成したのではないかと思います。)

それはどういう場合かというと、ライセンス契約の対象となる特許に無効審判が請求された場合です。

特許権者側からすると、訂正をせずに無効審判を棄却できるのであれば問題になりません。

しかし、請求人の主張に理由があり、このままでは無効審決の可能性が高いという場合には、特許権者は訂正審判を請求し、無効理由に該当しないように特許請求の範囲を訂正することがあります。

ここで、問題が発生します。

現時点(令和3年12月)では、対象特許に実施権者がいる場合には、その実施許諾権者の承諾が無ければ訂正請求を行うことができないのです。

協力的な実施権者であれば当然訂正請求を認めてくれると思いますが、いやいや許諾を得ている実施権者であれば承諾しない可能性があります。

この場合には、訂正請求を行うことができず、最悪の場合には、無効審決が確定し、特許権が消滅してしまう可能性があります。

まあ、実際には、そのようなことにならないようにライセンス契約に工夫を凝らしていることが多いと思います。

私もライセンス契約を作成する場合には、訂正請求を承諾しない場合には、ライセンス契約を解約できるような仕掛けをしています。

さて、今回の特許法改正により、実施権者の承諾を得ることなく訂正請求を請求できることになったので、特許権者は上記のような仕掛けをする必要がなくなったことになります。

一方、実施権者としては、特許権者により一方的に特許請求の範囲が訂正されてしまうことになります。

そこで、実施権者としては、このような場合を想定して、ライセンス契約にいろいろなことを規定しておいた方がよさそうです。
(実務では既にそのような動きがあるかもしれませんね。)

法改正により、契約書のひな形を再検討する必要があると思いますよ!

弊所では、ライセンス契約に関するご相談も承っております。
企業様の置かれた譲許に応じて最適なライセンス契約書等を提案させていただきます。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。