一蘭の「とんこつ酒」すったもんだの末、商標登録に。

こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。

今日は、”おもしろい商標”の審決がありましたので、ご紹介します。

「とんこつ酒」(標準文字)という商標に関する審決ですが、審決の内容というよりは、商品(とんこつ酒)の内容の方に興味をひかれたのですが。。

 

私はお酒の付き合いは多い方なので、酒の銘柄はある程度わかります。先日も「のどぐろ骨酒」を初めてたしなんだばかりです。しかし、「とんこつ酒」というのは初めてです。

一体どのような酒なのか気になりましたので、調べてみました。

 

とんこつ「とんこつ酒」は福岡市のとんこつラーメン店の一蘭が、福岡県内の酒蔵と共同開発したお酒だそうです(画像参照)。(一欄は、東京にも進出しているようですが、私は行ったことがありません。)

とんこつ酒はラーメン専用に開発された小麦が入ったリキュールで、甘酸っぱい味わいだそうです。とんこつ酒を紹介する新聞報道もありました(2013年2月)。

(参照:http://www.asahi.com/business/update/0210/SEB201302100002.html)

 

ところで、肝心の”商標”「とんこつ酒」ですが、一蘭によって2012年5月23日に出願されました。

指定商品は、第33類の「洋酒、日本酒、果実酒、中国酒、薬味酒」です。

特許庁の審査では、一旦この商標出願は拒絶査定となっています。

その理由は、豚骨を使用した酒に商標「とんこつ酒」を使用することは単なる品質表示にすぎず、また、豚骨を使用しない酒に使用した場合には品質誤認を生じさせるおそれがあるというものです。(商標法3条1項3号及び4条1項16号に該当するという理由で拒絶)。

 

しかし一蘭が拒絶査定不服審判を請求した結果、原査定は取消となり、最終的に、商標「とんこつ酒」は登録となりました(登録No.5633185)。

審判で、特許庁は上述の新聞報道の事実を踏まえ、「とんこつ(豚骨)」が指定商品の原材料を表すものとして使用されている事実がなく、直接的に品質を表示するものではないという判断をしています。

 

そもそも「とんこつ酒」という名前は、私自身初めて知りましたし、品質表示というレベルまで認知されていませんので、当然の結論だと思います。

今日は以上です。