こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。

昨日、加護亜依さんの商標問題のニュースが報道されました。興味を持たれた方も多いのではないでしょうか。報道によると、前の所属事務所側が、「加護亜依」の名前を既に商標登録しており、(加護さんが)その名前で活動した場合、道義的責任を追及する考えがあることを明らかにしました。

 

調べてみると、確かに、前の所属事務所の(株)メインストリームの名義で、商標「加護亜依」が登録されていました(登録第5287159号)。指定役務(サービス)は第41類「演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,歌唱の上演,ダンスの演出又は上演 etc.」です。

 

商標出願は、2009年2月17日にされておりますが、商標法4条1項8号に該当するという理由で、一度は拒絶理由通知が発せられております。この商標法4条1項8号の規定は、【他人の氏名、名称等を含む商標は、その他人の承諾を得ている場合を除いて、登録できない】というものです。

 

これに対し、出願人の(株)メインストリーム側は、「加護亜依」(芸名)こと本名「池田亜依」さんの承諾書(同意書)を提出することによって、拒絶理由を克服し、登録に至ったという経緯があります。この時点では、加護さんは、母方の池田姓を名乗っていました。

 

今回(株)メインストリーム側の言う「道義的責任を追及する」というのは、このような背景があったからでしょうね。

 

ところで、現在、「池田亜依」さんは、姓を「加護」に戻しているわけですから、本名が「加護亜依」になっています。商標法26条は「自己の氏名等を普通に用いられる方法で表示する商標に対しては効力が及ばない」と規定しておりますので、加護さんが普通に「加護亜依」を使用する行為は、(株)メインストリームの商標権(「加護亜依」)を侵害することにはならないと思います。

ポイントは「道義的責任」をどう考えるか、でしょうね。

 

今日は以上です。

※商標法4条1項8号については、8月20日の記事「著名な故人の名前と商標登録」でも触れていますので、ご興味がありましたら読んでみてください。