知的財産に関する裁判例を簡単に調べることができますよ

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

裁判所の木槌今回は、知的財産に関する裁判例が簡単に調べられることについて書きます。

「誰が知的財産に関する判例なんて調べるんだ?」と思われるかもしれません。
しかし、近年は知的財産の重要性が認識されてきており、事業戦略(知的財産戦略)に影響があるような裁判例(判例を含む。)が出たときは、企業内でも判例研究が行われているようです(一部の企業は以前から行っていたようですが。)。

最近では、「プラバチスタチンナトリウム事件」の最高裁判決が出たときに、いわゆるプロダクト・バイ・プロセス(PBP)・クレームの解釈の理解や今後の対応を検討するために、多くの企業で関連する判決書が調べられたのではないかと思います。

さて、この裁判例ですが、知的財産高等裁判所(知財高裁)が判断したものについては、知財高裁の裁判例検索で簡単に検索することができます。

この裁判例検索では、知財高裁が設立されてからの判決(侵害訴訟と審決取消訴訟)のほぼ全件および決定その他の一部が収録されているので、最近の知的財産に関するほとんどの裁判例については、ここで検索することができます。

また、大合議※で審理された事件については、専用のWebページが用意されており、判決の要旨、判決の全文、原判決の全文等が掲載されています。

知財高裁以外で審理された事件の裁判例については、最高裁判所の裁判例情報で検索することができます。

このような判例検索ページがなかったころは、有料の裁判例データベースを利用したり、雑誌に掲載されるのを期待したりしていましたが、便利になりました。

知的財産の重要性の高まりに伴って、知的財産の判例研究の重要度も高くなってきています。
弁理士や弁護士ではなくても、裁判例原文に当たって、自社の事業戦略に活用してみては如何でしょうか?

今日は以上です。

 

※大合議とは、5人の裁判官(通常の高等裁判所では3人の裁判官で審理されます。)から構成される合議体により審理および裁判を行う制度です。
知的財産権を巡る紛争では、重要な法律上の争点を含み、かつ裁判所の判断が企業の経済活動および我が国の産業経済に重大な影響を与えることも少なくないため、一定の信頼性のあるルール形成および高裁レベルでの事実上の判断統一が必要とされることから、平成16年4月に知的財産高等裁判所に導入されました。