ライセンス契約書を作成する際に役立つ資料26

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

今回は、経済産業省が取りまとめた、ビックデータを扱う契約を締結する際に役立つ資料(データに関する取引の推進を目的とした契約ガイドライン)をご紹介します。

パソコンと記憶デバイスのイラストこのガイドラインは、分野・組織を超えたデータの取引に関する検討ポイントを提示することにより、データを提供する事業者と当該データを利活用する事業者との間での契約合意に至る労力を軽減すると共に、予期せぬトラブルを防止することを目的として作成されました。

さて、このガイドラインの内容ですが、つぎのような目次となっています。

  1. はじめに
  2. 適用対象
    1. 対象取引
    2. データの内容
    3. 契約形態
  3. 相対取引において検討が望ましい契約書記載事項
    1. 検討項目の全体概要
    2. 検討項目の構成要素
    3. 検討項目
  4. 参考ひな形

この目次だとよく分からないと思いますので、少し捕捉します。

このガイドラインの対象取引は、あらゆる業種や規模の組織が行うデータに関する取引を対象としており、画像データや音楽データのライセンス取引のようなコンテンツビジネスは対象となっていません。

また、契約形態も、当事者それぞれが条件交渉の上、書面合意する契約や、サービス利用規約のようにデータ提供者が提示した条件にデータ受領者が同意することによって契約が成立する約款取引等、あらゆる契約を想定しています。

そして、検討項目の構成要素として、次のような項目が挙げられ、各項目に対してチェックシートが記載されています。

  • データの内容・提供方法・仕様
  • 利用範囲・取扱条件
  • データに知的財産権が認められる場合の権利帰属先
  • 対価
  • データ提供者の義務
  • データ受領者の義務
  • 遵守事項
  • 不可抗力免責
  • 契約解除、期限の利益喪失
  • 秘密保持義務

たとえば、「データ提供者の義務」の項目の中の「保証」のチェックボックスには、「データ提供に当たって必要な消費者からの同意は、データ提供者にて取得すべき旨の定めはあるか」等、見落としがちなものもちゃんとチェックするようになっています。

このような契約に慣れていない方には、このチェックボックスは役立つと思います。

そして、上記の項目が考慮された契約書の参考例が記載されています。

今後は、単なるライセンス契約ではなく、このようなデータ提供に関する項目も入ったライセンス契約が締結されることが多くなるのかもしれません。

現時点で、想定しておくべき項目はここに記載されていると思いますので、データ提供を伴う契約書を作成する際には、大変参考になる資料だと思います。

弊所では、ライセンス契約の相談や契約書作成等も行っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。