営業秘密(秘密情報)管理に役立つ資料5

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

今回は、企業における営業秘密の漏えいや管理に係る対策状況について、アンケート調査、インタビュー調査および判例調査を通じて、その実態をまとめた資料(企業における営業秘密に関する実態調査 調査報告書)をご紹介します。PCのイラスト

この調査報告書は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)により作成されたもので信頼性の高いものとなっています。

さて、この調査報告書ですが、次のような目次となっています。

  1. はじめに
    1. 背景および目的
    2. 実施概要
  2. 営業秘密管理の実態
    1. 近年の営業秘密漏えい実態
    2. 漏えい対策の取組状況
    3. 対象者の種別に応じた対策の取組状況
    4. 営業秘密管理に対する考え方と組織体制
    5. 他社の営業秘密の侵害を防ぐための取組状況
  3. 営業秘密管理を取り巻く環境
    1. 社会動向の変化と営業秘密への関心
    2. 政策への関心・要望
    3. 営業秘密の漏えいに関する判例の動向
  4. 営業秘密管理に取り組むにあたっての示唆
    1. 営業秘密の漏えい経験がある企業からの示唆
    2. 営業秘密管理の対象の明確化
    3. 企業の特性等に応じた営業秘密保護対策の考え方
    4. 組織横断的な取組の重要性
    5. 検知活動の重要性

次に、この調査報告書の内容ですが、営業秘密の漏えい実態と、対応策の取組とが記載されています。

漏えいの実態としては、次のような報告がなされています。

  • 8.6%の企業が過去5年間に営業秘密の漏えいを経験
  • 営業秘密の漏えいルートのうち、約44%が現職従業員等のミス、約25%が中途退職者(正規社員)を通じた漏えい
  • 営業秘密の漏えい先のうち、約32%が国内競合他社
  • 漏えいを認識したきっかけについては、第三者からの指摘が約41%
  • 営業秘密の漏えいによる損害の規模については、54%が不明であるが、1000億円以上との回答もある
  • 過去5年間に営業秘密の漏えいを経験した企業のうち、約47%が事実関係の調査を行い、約18%が懲戒処分を行った

一方、漏えい対策の取組については、次のような報告がなされています。

  • 約42%の企業が、営業秘密を破棄する際には復元が不可能な方法で実施
  • 約61%の企業が、PC等の情報端末へのアンチウィルスソフトの導入
  • 約37%の企業が、USBメモリやDVD等の持ち込み・持ち出しを禁止
  • 約24%の企業が、Webメールサイトやアップロードサイト等への接続を制限
  • 約40%の企業が、不要な書類等の廃棄等、職場全体の整理整頓を実施
  • 約43%の企業が、情報システムのログを記録・保管
  • 約36%の企業が役員との間で秘密保持契約を締結し、約46%の企業が従業員との間で秘密保持契約を締結

※詳細は、調査報告書を確認してください。

これらの報告のうち、対策の取組については、自社の取組を比較してみては如何でしょうか?
必要となる取り組みが明確になるかもしれません。

また、この報告書には、「営業秘密の漏えい経験がある企業からの示唆」という章があります。

この章には、漏えいを経験した企業と、漏えいを経験していない企業との対策の取組の違いについて解説されています。

是非この章をご覧になり、自社の営業秘密管理の強化に役立ててください!

なお、この調査報告書には、アンケート調査結果をまとめた調査報告書-資料編(アンケート調査結果)だけでなく、営業秘密に関する判例をまとめた調査報告書-資料編(判例調査結果)も付属しています。

営業秘密に関する判例の傾向を把握する時にも、この資料は役に立つと思います。

弊所では、営業秘密管理に関するご相談も承っております。
何かありましたら、是非ご連絡ください。

今日は以上です。