NITE講座の受講報告 生物資源バックアップサービス

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

前回のブログに引き続き、2017年9月12日に、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の本所で開催されたNITE講座(2017年度・前期)について書きます。

前回のブログでは、主に「遺伝資源国内取得書」について書きましたが、この講座では、この他にNITEが新しく始めた「生物遺伝資源バックアップサービス」(遺伝資源の預かりサービス)の解説もありました。

NITEの施設の写真

引用:NITEのHP

生物資源バックアップサービスとは、生物遺伝資源をディープフリーザー(-80℃)又は液体窒素タンク(気相、約-170℃)で保管するサービスです。

平成23年3月11日に発生した東日本大震災により、事業者の建物や設備が甚大な被害を受けた結果、酒、味噌、醬油作り等に使われていた微生物が流失してしまいました。また、このような自然災害以外にも、停電、設備・機器の故障等により、貴重な微生物が失われてしまうことがあります。

このようなことを防止するために、NITEは、これらの影響を極力抑えた生物遺伝資源長期保存施設を保有しており、企業が所有している貴重な遺伝資源消失リスクを低減するための上記サービスを行っています。

今回の講座では、遺伝資源国内取得書と共にこのサービスを利用すれば、トラブルをより防ぐことができるとの解説がありました。

名古屋議定書の仕組みを使って取得した遺伝資源(日本で採取した遺伝資源を含む)が消失してしまうと、その遺伝資源を再度を入手するには、再度同様の手続を行う必要があり、費用と時間がかかってしまいます。

そこで、このサービスを使って、取得した遺伝資源の一部をNITEに保管してもらい、何かトラブルがあった場合に、その遺伝資源の一部を返却してもらうことができるようになります。そうすれば、同じ手続をする必要はなくなります。

保険という訳ではないですが、ありがたい仕組みですね!
ちなみに、保管料はリーズナブルな額になっています。

私が以前勤務していた産業技術総合研究所でも、東北大震災の際には、数多くの貴重な生物遺伝資源が消失してしまいました。

いつ何時、どのようなことが起こるか分かりません。
貴重な遺伝資源の場合には、是非このサービスを利用してリスクヘッジした方が良いのではないでしょうか?

今日は以上です。