中小企業の知的財産戦略を考える際に役立つ資料21

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

海外展示会・商談のリスク対策マニュアルの表紙

引用:海外展示会・商談のリスク対策マニュアル

今回は、企業が海外進出する際に、まず展示会に参加することが多いと思いますが、その展示会やその後の商談に潜んでいる知財リスクをまとめた資料(海外展示会・商談のリスク対策マニュアル)をご紹介します。

この資料は、経済産業省北海道経済産業局がまとめたもので、北海道産の農水産品や菓子等が「北海道ブランド」として海外でも人気を博する中、模倣品の流通や商標の先取り出願などが問題なっていることから、その対策についてまとめられたものです。

さて、内容ですが、次のような目次となっています。

  1. 展示会・商談と知財リスク
    1. 模倣品が出回る
    2. 第三者による先取り出願・買取要求
    3. 他社の権利が存在する
    4. 営業秘密が漏えいする
  2. 食品関連事業と知的財産
    1. 知的財産権の種類
    2. ブランドを守る権利・制度
    3. 技術的創作を守る権利
    4. 著作物を守る権利
  3. 展示会のここに知財リスクが潜んでいる
  4. 商談のここに知財リスクが潜んでいる
  5. 展示会・商談と知財リスク対策
    1. 展示会・商談と知財リスク対策
    2. 展示会準備段階における知財リスク対策
    3. 商談時における知財リスク対策
  6. 海外知財制度と費用
    1. 商標権
    2. 地理的表示保護制度
    3. 特許権
    4. 実用新案権
    5. 意匠権
    6. 育成者権
    7. 著作権
    8. 不正競争防止法による保護
    9. 費用
    10. 支援制度
  7. 相談窓口など関係機関紹介

この目次を見ると、潜在リスクの紹介から、その対策およびその具体策(権利化)、権利化の費用、支援制度の紹介、相談窓口の連絡先など、海外進出の際に必要となる情報がコンパクトにまとまっていることが分かると思います。

この資料の素晴らしいところは、展示会ブースの商談のイラストが記載されており、そのイラストと知財リスクとが視覚的に一目で分かるように工夫されていることです。

ちなみに、私はこんなに分かり易く説明されている資料は見たことがありません。
是非、これらのイラストを一度見てみてください!

また、展示会出展や商談の段階ごとに、どのような対策をすればよいか具体的に解説されています。

たとえば、「新規の見込み客については、話の進み具合によって配布してよいものを段階分けする」とフローチャートに記載されいます。

そして別ページには、
「パンフレットやリーフレット、カタログ、サンプルなどの配布物は、情報の開示量に応じて、来訪者⇒名刺交換⇒相手の情報の入手⇒話の具体化・秘密保持契約締結など、どの段階でどのツールを配布するかを予め決めておきます。
サンプルは、持ち帰って詳しく分析できるため、模倣のヒントを与えてしまいます。渡した相手を記録しておくための用紙などを用意しておくとよいでしょう。」
と実践的なアドバイスが記載されています。

なお、主に食品分野の事業者を対象としているため、特許等よりも商標の話が多くなっていますが、展示会や商談等における知財リスクはどの分野でも同じですので、食品分野以外の分野の方にもこの資料を是非読んで欲しいと思います。

弊所では、展示会や商談に関するご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。