オープンイノベーションと知財の管理・契約リスクに関する啓発パンフレット

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

知財を使った企業連携4つのポイントの表紙

引用:知財を使った企業連携 4つのポイント

特許庁が、オープンイノベーション・企業連携における知的財産の管理や取引契約に係るリスクをケーススタディで解説したパンフレットを公表したので、今回はそれについて書きます。

陸王」というドラマをご存知でしょうか?
2017年10月からTBS系列で放送されたテレビドラマです(残念ながら私は見ていませんでした)。
ちなみに、原作は「陸王」というタイトルの池井戸潤氏による小説です。

なぜ陸王のことを書いたかというと、「このパンフレットは、小説『陸王』から、企業連携の成功と失敗を知財の切り口で読み解く」と最初に説明されているからです。

さて、内容ですが、目次と各事例の概要は次のようになっています。

  1. はじめに
  2. 『陸王』で学ぶ企業連携の成功と失敗
  3. case01 秘密情報管理の失敗
    A 社の営業社員はB 社に求められるままに素材Xの技術情報(ノウハウ)を開示してしまった。 A社とB社の取引が始まってしばらくしたある日、A社が提供したノウハウを基礎とした特許がB社より出願されてしまった。
  4. case02 秘密保持契約の失敗
    C 社・D 社間で締結した秘密保持契約(NDA: Non-Disclosure Agreement)には、「秘密情報を相手方に提供する際には秘密である旨の表
    示をすべきこと」が規定されていたが、C社はうっかりしてこの表示をするこ
    となくD社にサンプルを提供してしまった。
  5. case03 共同開発契約の失敗
    E社は、F社との共同開発終了後に、共同開発時に提供したノウハウを基礎と
    した特許をF 社より出願されてしまった。また、F社はE社と同時にF2社とも類似のテーマについて共同開発を進めていたことが判明した。
  6. case04 ライセンス契約の失敗
    G社は、帳簿閲覧権や監査権がない特許ライセンス契約をH社と締結してしま
    い、H社に特許使用料をごまかされていると疑っているが、確認する術がなく、疑心暗鬼に陥っている。
  7. さらに詳しく知りたい方は

そして、各caseごとに、ポイントが解説されています。

例えば、「case02 秘密保持契約の失敗」では、”適切なNDAを作成し、契約で定めた内容を忠実に実践しましょう”と書かれており、さらに①NDAは結ぶだけで安心してはいけません、②NDAは秘密保持義務と目的外使用禁止義務で構成されています、というサブタイトルの文章で詳細に解説されています。

この他にも、「さらに知っておきたい」という、さらに役立つコラムも掲載されています。

ベンチャー企業や中小企業は、法務部のような専門部署を持っていないことが多いため、他の企業と連携する際に、契約のような法的な部分にはなかなか気が回らないかもしれません。

しかし、後々大きな問題となるのを防止するためにも、このパンフレットを読んで、企業連携には様々な法的リスクがあることを認識しておいた方がよいと思います。

見開き8ページなので、サッと読むことができると思います。

弊所では、法務部または知的財産部に代わって、ベンチャー企業や中小企業をサポートするサービスを提供しています。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。