デンマークとの新租税条約が発効します

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

デンマークの国旗2017年(平成29年)10月11日に、デンマーク王国との間で「所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とデンマーク王国との間の条約」が署名されました。

そして、2018年(平成30年)12月27日に、この租税条約が発効しますので、今回はこのことについて書きます。

財務省のプレスリリースによると、コペンハーゲンにて、2018年11月27日に、日本とデンマーク王国政府との間で「所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とデンマーク王国との間の条約」を発効させるための外交上の公文の交換が行われました。

その結果、次の事項が適用されることになりました。

  1.  課税期間に基づいて課される租税に関しては、2019年1月1日以後に開始する各課税期間の租税
  2. 課税期間に基づかないで課される租税に関しては、2019年1月1日以後に課される租税
  3. 仲裁制度に関する規定は、次の事案について適用されます。
    1. 両国政府が外交上の公文の交換によって合意する日以後に本条約の相互協議手続の規定に従って申し立てられた事案
    2. に規定する日の前に本条約の相互協議手続の規定に従って申し立てられた事案
      なお、この場合には、当該事案の未解決の事項は、同日から二年を経過するまでは、仲裁に付託されません。
    3. 情報交換及び徴収共助に関する規定は、対象となる租税が課される日又はその課税期間にかかわらず、2018年12月27日から適用されます。

この条約により、投資所得(配当、利子及び使用料)については、以下のとおり、源泉地国(所得が生ずる国)における課税の上限(限度税率)が設けられ、又は課税が免除されます。

配当利子使用料
免税(日本法人支払配当、議決権保有割合10%以上・保有期間6月以上)
免税(デンマーク法人支払配当、資本割合10%以上・保有期間6月以上)
免税(年金基金受取)
15%(その他)
免税免税

なお、 条約の特典の濫用を防止するために、次の注意事項があるので注意してください。

  • 投資所得に対する免税は一定の要件を満たす適格者等である居住者に限って認められる。
  • 条約の特典を受けることが取引等の主要な目的の一つであったと認められる場合及び第三国に存在する恒久的施設に帰属する一定の所得については、その条約の特典は認められない。

そして、上述の特典を適用すると、特許権等の知的財産に関する使用料(実施料)免税されることになります。

なお、条約の規定に従っていない課税は、両国の税務当局間の協議による合意に基づき解決されることになりますが、両国の税務当局間の協議により2年以内に事案が解決されない場合には、第三者から構成される仲裁委員会の決定に従って解決されることになります。

デンマークとの租税条約のポイントはこちら

デンマーク企業との間でライセンス契約等を締結している場合には、新しい租税条約に関する届出書の申請手続を是非行ってください。

また、この条約の発効により、デンマークに進出する日本企業が増えてくるのではないでしょうか?

弊所では、デンマークへの特許・商標出願だけでなく、ライセンス契約における租税条約に関するご相談も承ります。
ライセンス契約に関して何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。