ライセンス契約書を作成する際に役立つ資料31

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

特許権等の実施料相当額算定手法についての表紙

引用:特許権等の実施料相当額算定手法について

今回は、特許権等の実施料相当額算定手法についてまとめた資料「特許権等の実施料相当額算定手法について(日本知的財産仲裁センター実施料判定プロジェクトチーム研究報告書)」をご紹介します。
この資料は、日本知的財産仲裁センターの実施料判定プロジェクトチームによって取りまとめられました。

「特許権等の実施料相当額算定手法について」はこちら

この資料は、判例に基づく特許権等の実施料相当額算定手法について解説されていますが、この資料の序にも記載されているように、ライセンス交渉においても有益と思われますので、ご紹介します。

ちなみに、この資料は、近時の特許権・実用新案権侵害事件判決に示された特許法102条3項、実用新案法29条3項に基づく実施料相当額の損害賠償請求等に関する当事者の主張、裁判所の判断の要点をなるべく網羅的に紹介すると共に、実施料PT内での研究と議論に基づき、今後の訴訟において、これらの請求権に基づく実施料額がいかに算定されるべきかについて、提言を行うことを目的としてまとめられたものになります。

さて、この資料の内容ですが、次のような目次となっています。

  1. 考察と提言
    1. 「相場」を基準とする相当実施料率認定の問題点
    2. 侵害者利益と寄与分を基準とする実施料相当額の算定
      1. 実施料相当額の法的根拠
      2. 交渉による実施料の算定手法
      3. 訴訟における実施料の算定手法
    3. 実施料相当額の算定手順
      1. 侵害者利益額(限界利益)の算定
      2. 発明の特徴的部分の抽出
      3. 発明の特徴的部分による寄与分の算定
    4. 損害額の立証責任
    5. 算定要素考慮の時間的基準(「仮想交渉」について)
    6. 特許法102条2項との関係
    7. 特許法102条1項との関係
  2. チェックシートと解説
  3. 資料編

この目次を見れば分かるように、現状の問題点を指摘した後、損害賠償に関する法的根拠を示し、そして実施料相当額の算定手順を解説しています。

詳細についてはこの資料を読んでいただくこととして、この他に役立つものとして、相当実施料率算定のためのチェックシートが添付されていることです。

このチェックシートは、日本の裁判所における過去の14年間にわたる裁判例を分析し、実施料相当額の算定における考慮すべきファクターを抽出・要約したものとなっています。

このチェックシートをテーブルに出してライセンス契約交渉を行うと、争点が別のところに行ってしまう(もめる)可能性が高いので、実際の交渉上では使えない可能性が高いと思います。

しかし、各項目について検討していくことによって、社内での意思統一がし易くなると思うので、組織内部で実施料率を決定する際のツールとして十分に役立つのではないでしょうか?

この資料は、知的財産の専門家である弁理士・弁護士が集まって作成されたものです。
是非活用してください!

弊所では、知的財産侵害訴訟やライセンス契約に関するご相談を承っております。
これらに関して何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。

※日本知的財産仲裁センターとは、日本弁理士会日本弁護士連合会とが設立・運営しているADR(裁判外の紛争解決手段)機関である。