「アニメーション制作業界における下請適正取引等の推進のためのガイドライン」が改訂されました(2019)

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

アニメーション制作業界における下請適正取引等の推進のためのガイドラインの表紙

引用:アニメーション制作業界における下請適正取引等の推進のためのガイドライン

2019年8月9日に、経済産業省より「アニメーション制作業界における下請適正取引等の推進のためのガイドライン」の改訂版が公表されましたので、今回は、このガイドラインをご紹介します。

「アニメーション制作業界における下請適正取引等の推進のためのガイドライン」の改訂版はこちら

このガイドラインは、平成25年に最初に作成され、その後毎年のように改訂されており、令和元年8月に最新改訂版が公表されました。

ちなみに、このガイドラインは、アニメーション作品は「日本ブランド」として内外から高い評価を受けているが、アニメーション制作の現場をみると、人手不足や製作本数の増加等によってスケジュールがひっ迫し、作品の成功による利益が現場に反映しにくい構造となっている。そこで、下請代金支払遅延等防止法を中心にその概要を記載すると共に、同法の遵守のため、アニメーション業界における具体的な取り扱いやベストプラクティス等について整理し、下請け適用取引の推進を目的として作成されました。

さて、このガイドラインの内容ですが、次のような目次となっています。

  1. はじめに
    1. ガイドラインの目的
    2. アニメーション制作業界が解決すべき課題
      1. 取引環境の向上
      2. 人材育成
      3. スケジュール管理の改善
    3. ガイドラインの活用方法
  2. アニメーション制作業界と下請法などの法令
    1. 業界構造と取引実態における問題点
    2. アニメーション制作業界の取引特性と取引実態における問題点
      1. アニメーション制作業界の取引特性と取引実態における問題点
    3. アニメーション制作業界の取引に係る法令
      1. 下請法・独占禁止法(優越的地位の濫用)、消費税転嫁対策特別措置法の優先関係
      2. 下請法
      3. 独占禁止法
      4. 消費税転嫁対策特別措置法
      5. その他の法令(下請中小企業振興法等)
  3. アニメーション制作業界の取引と法令
    1. 見積・発注段階
      1. 取引条件の協議・発注段階の留意事項
      2. 取引条件の協議・発注段階で問題となるおそれのある取引事例と考え方
      3. 発注段階の留意事項
      4. 発注段階で問題となるおそれのある取引事例と考え方
    2. 発注内容の変更段階
      1. 発注内容の変更時の留意事項
      2. 発注内容の変更時に問題となるおそれのある取引事例と考え方
    3. 受領段階
      1. 受領段階での留意事項
      2. 受領段階で問題となるおそれのある取引事例と考え方
    4. 支払段階
      1. 支払段階の留意事項
      2. 支払段階で問題となるおそれのある取引事例と考え方
    5. 支払後の段階(リテイク等)
      1. 支払後の段階の留意事項
      2. 支払後の段階で問題となるおそれのある取引事例と考え方
    6. 前段階を通じた下請事業者に対する要請
      1. 下請事業者に対する要請を行う際の留意事項
      2. 下請事業者への要請について問題となるおそれのある取引事例と考え方
    7. その他
      1. 申告等を理由とする下請事業者に対する不利益措置の禁止
      2. 知的財産の取扱い(営業秘密の取扱等)
      3. その他の下請中小企業の振興のための必要な事項
  4. ベストプラクティス
    1. 発注者と受注者の取引におけるトラブル防止(書面取引の導入)
    2. 取引価格の決定
    3. 取引内容の変更・やり直し
    4. 支払いの遅延防止
    5. 制作現場への還元
    6. スケジュール管理の改善
    7. 人材育成
  5. 参考資料
    1. 契約書でチェックすべき項目
    2. 書式例
    3. 関連用語集
    4. 主な勧告及び指導事例
    5. 下請法に関する問い合わせ先・「下請かけこみ寺」の概要と連絡先一覧

この目次を見ると、このガイドラインは、下請法がメインの内容であると分かると思います。

このガイドラインに書かれているように、アニメーション業界では、他の業界では見かけなくなったような下請法違反事例が今でも存在しているようです。

それを考慮すると、このガイドラインでは、下請法がメインで説明されているのも仕方がないのかもしれません。

ただ、アニメーションですので、知的財産権も重要事項に当然該当します。

このガイドラインでは、まず「その他の法令(下請中小企業振興法)」に知的財産に関する記載があります。

そして、「下請法における発注内容に知的財産権が含まれる場合の下請代金の額の決定」の項目にも、著作権等の対価の決め方等に関する記載があります。

例えば、『著作権等の知的財産権を無償で譲渡する等するよう要請した場合には、「不当な経済上の利益提供要請」に該当し、下請法上問題となるおそれがある』と記載されています。

このように、このガイドラインには下請法のみならず、著作権法を含めた知的財産権に関しても、アニメーション業界で問題となる事項が事例を含めて具体的に解説されています。

アニメーション業界にいる方は是非一読することをお勧めいたします!

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