国旗のデザイン

こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。

最近、祝日でも国旗掲揚をしている家を見かけることが少なくなった気がします。

しかし、外国国旗がデザインされたTシャツはよく見かけます。今日は、国旗のデザインについて考えてみたいと思います。

まず、国旗そのものをイラストとしてTシャツに描くことについて法律上の規制は見当たらないので基本的には問題はないと思います。しかし、誰かが描いたデザイン化された国旗のイラストを無断で使用することは著作権侵害となり得ます。

また、国旗を商標として使用すること(商業上利用すること)は、不正競争防止法(第16条)で原則禁止されています。

さらに、国旗表示の用い方によっては、不正競争防止法2条1項13号にいう原産地誤認表示として規制の対象になります。「ヘアピン事件」(平成8年9月26日 大阪地裁判決)では、各国で異なるタイプのヘアピンを世界のヘアピンコレクションとして製造販売していた業者がその包装紙表面のシールに外国国旗表示に加えて、「イタリアンタイプ」「ブリティッシュタイプ」などの文言を表示した行為が、ヘアピンは実際には国産であるにもかかわらず、消費者をして当該外国において製造されたものと誤認させる可能性があると判断されました。

国旗は、商標法の保護対象外であり特定の者に登録を付与することも認められておりません。

国旗のデザインについては、その国を侮辱するような使用の仕方(例えば、便器に使用とか)は問題が生じる可能性があるので、国の尊厳を傷つけないように十分な配慮が必要です。場合によっては、当該国の大使館に問い合わせてみればよいと思います。

今日は以上です。

この記事を書いた人

鈴木 徳子