ゆるキャラデザイン公募の著作権の扱いを検討する

こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。

昨日の記事で著作権問題について触れたので、今日は具体的に、ゆるキャラのデザイン公募のケースを見てみます。

現在、デザイン募集中の宮城県栗原市の応募要項(http://www.kuriharacity.jp/index.cfm/10,17610,58,html)を見てみましょう。(ちなみに、私は栗原市とは縁もゆかりもございません。)

応募要項の「入賞作品の法的取扱いについて」の部分は下記のような記載となっています(下線部は加筆しました)。

  • 入賞者は、作品の受賞と同時に市に対して当該作品(キャラクターのデザイン画、名前、説明資料、その他付属資料の一切を含む。)の著作権(著作権法第27条、28条を含む一切の権利)を譲渡するものとし、当該作品の著作権及び使用権は市に帰属するものとします
  • 入賞者は、市が当該作品を使用するに当たって、著作者人格権を行使しないものとします
  • 入賞者と市は、最優秀賞及び優秀賞に選出後、著作権譲渡契約を締結するものとします

また、「最優秀作品の取扱いについて」の部分は、下記の記載がされています。

・必要に応じて、キャラクターのオリジナルデザイン、色彩等を補正・修正する場合がありますので、あらかじめご了承ください。

 

入賞者の著作権を自治体に譲渡し、著作者人格権も行使しないことを要件とし、自治体が自由にオリジナルデザインの色などを変更できることを予め明確にしていますね。著作権の取り扱いについて明確にしておかないと、後々トラブルの原因となります。その事例として、「ひこにゃん」事件について別途書いていきたいと思います。

今日は以上です。

 

kurihara画像引用先:特許電子図書館

栗原市の登録商標(登録番号第5298524号)

 

 

 

 

この記事を書いた人

鈴木 徳子