共同研究契約書を検討する際に役立つ資料4

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

今回は、共同研究の成果としてプログラムやデータベース等が想定される場合に役立つ資料(著作権を考慮した共同研究に係る調査研究報告書)をご紹介します。

民間企業間ではプログラムやデータベース等を対象とする共同研究ということはあまりないと思いますが、大学等と民間企業との間ではかなりあるのではないかと思います(技術移転の一つの手段としての共同研究もあると思います。)。

そこで、大学等の共同研究契約書のひな型を見ると、共同研究の成果の中にプログラムやデータベース等の著作物が含まれと明示されていますが、その取扱いは発明の取り扱いに準じるようになっているものが多いと思います。

著作物も発明と同様に知的創作物なので、同じように取り扱えばよいと思われているのかもしれません。

しかし、著作物を保護対象とする著作権と、発明を保護対象とする特許権は、その立法趣旨が異なることから、その権利の性質も異なり、保護対象を同じように取り扱うと不都合が生じることがあります。

たとえば、共同研究契約書に、「共同研究で創作された発明や著作物は共有とする」と規定した場合を考えてみましょう。@キートップのイラスト

この共同研究で、発明を創作した場合には、双方がアイデアを出し合い共同して創作したということになるので、その発明を共有とすることは納得できると思います。

一方、ある部分XはA大学が分担して作成し、他の部分YはB社が分担して作成したソフトウェアの場合に、そのソフトウェアをA大学とB社の共有とすることが必ずしも適切とは限らないと思います。

解の1つとして、結合したソフトウェア全体を考えるのではなく、部分Xの著作権はA大学が単独で所有し、部分Yの著作権はB社が単独で所有というのも考えられます。

このような場合に、今回ご紹介する著作権を考慮した共同研究に係る調査研究報告書が役立ちます。

この報告書には、現状の共同研究契約におけるソフトウェアの取り扱いの問題点を指摘するだけでなく、それに対する条項案提示されています。
私は、今までこのような観点でまとめられた資料を見たことがありません。

今後、価値のあるプログラムやデータベース等を創作することを目的とするような共同研究契約書を検討する際に役立つと思いますので、是非一度ご覧になってください!

なお、共同研究契約等に不安がある方は、弊所にご相談ください。

今日は以上です。