共同研究契約書を検討する際に役立つ資料14

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

今回は、経済産業省と文部科学省がまとめた「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン」をご紹介します。

この資料は、「日本再興戦略2016」において、政府目標として設定された「2025年度までに大学・国立研究開発法人に対する企業の投資額をOECD諸国平均の水準を超える現在の3倍とする」ことに関連して取りまとめられた資料です。

今後、私が勤務していた特定国立研究法人産業技術総合研究所等の公的研究機関国立大学法人は、このガイドラインに沿って、内部組織、規定や制度を構築していくことになります。

したがって、公的研究機関や国立大学法人の産学連携部に所属されている方だけでなく、民間企業の法務部や知的財産部等に所属している方にとっても有用な資料だと思います。

さて、このガイドラインですが、次のような内容になっています。

  1. ガイドラインの策定の背景とねらい
  2. 「組織」対「組織」で連携するうえで、全ての大学・国立研究開発法人に期待される機能
    1. 大学・国立研究開発法人の本部機能の強化
    2. 資金の好循環
    3. 知の好循環
    4. 人材の好循環
  3. 研究成果が一層社会で活用されるうえで不可欠な視点
    1. 資金の好循環
    2. 知の好循環
    3. 人材の好循環
  4. ガイドラインの実行による本格的な産学官連携の拡大に向けて
  5. 事例集

共同研究を進める上で、障害となる問題がいくつかあります。

その問題の一つである費用負担について、このガイドラインでは、大学・国立研究開発法人は、適切な費用負担を産業界に求めていくことが重要と記載されています。

そして、今までは費用として計上されていなかったことが多いと思われる人件費についても、共同研究先である民間企業に求めることになりそうです。

一方、大学・国立研究開発法人は、人件費や間接経費等について、透明性の高い根拠(たとえば、アワーレート方式での算定等)が求められることになりそうです。

また、もう一つの問題である共同研究の成果の取扱いについても記載されており、成果の取扱いのバリエーションの例として次のような表(P26)が提示されています。

成果の取扱いバリエーションの例

これらの他に、リスクマネジメント強化、契約マネジメント、職務発明等についても記載されています。

公的研究機関や国立大学法人の産学連携部に所属されている方は、今後このガイドラインに沿うように変わっていくと思いますので、そういう観点でこのガイドラインをご覧になってみてください。

一方、民間企業の法務部や知的財産部等に所属している方は、このガイドラインに沿って公的研究機関等のシステムが変わっていくと思いますので、このガイドラインの内容を理解した上で共同研究の話を進めた方がスムーズに行くのではないでしょうか?

是非、このガイドラインを活用してください!
弊所では、私の経験を踏まえて、共同研究契約書や規定を含めた技術移転スキームに関するサポートも行っております。

もし、弊所の知識や経験が役立ちそうと思われた際には、是非ご連絡ください。
(日本の大学や公的研究機関の科学技術は、欧米の大学の科学技術に引けを取らないと考えております。)

今日は以上です。