実用新案の権利行使について

こんにちは。高田馬場のブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。

先日、弊所で実用新案登録出願を行ったのですが、付与された出願番号は3,000番台でした。出願番号は出願順に付与されますから、このままだと今年の実用新案の出願件数は6,000件前後になるのではないでしょうか。

特許の出願件数は(国際特許出願を含め)約300,000件ですので、この数字を見ても、実用新案があまり活用されていないことは明らかです。

実用新案は特許と異なり、保護対象が「物品の形状、構造又は組合せ」に限定されます。また、特許庁の実体審査が行われず、出願後数か月という短期間で登録となります。

しかし、実質無審査で登録されることから「権利の安定性」に欠けるというデメリットもあります。このような理由から、特許出願の方を勧める特許事務所が多いのも実情です。

とはいえ、すでに公開し新規性を失っているような考案の場合は、特許が付与される可能性も低いため、代替案として実用新案登録出願を行うこともあります。少なくとも、登録されれば、「実用登録登録済み」とパッケージ等に表示できるため、プロモーションとして活用できます。業界によっては、権利を取得しているということで、競合他社への牽制効果にもなるでしょう。

ところで、この前、弊所のお客さんから、他社から「自社の実用新案権を侵害している」という旨のクレームを受けたので、どのように対応したらよいのかというご相談がありました。

実用新案法には「実用新案技術評価書」を提示して警告した後でなければ権利行使ができないことが規定されています。(「実用新案技術評価書」は、実用新案登録の有効性の判断材料となる資料であり、特許庁に請求すれば、新規性や進歩性の有無などについて評価(審査)してもらえます。)

弊所のお客さんのケースでは、相手方が「実用新案技術評価書」の提示なしにクレームを入れてきたので、その旨を相手方に伝え、相手方の反応を待っている段階です。

実用新案は、実体審査なしに登録される権利なので、実用新案権に基づく権利侵害のクレームを付けられた側も、相手の権利が本当に有効なのか、自分が本当に権利侵害をしているのか、の判断がつかないわけです。

権利侵害のクレームを付けられた場合でも、調べてみると相手の権利が消滅していたりすることもありますので、慌てることなく専門家にまずは相談してみて下さい。

弊所では、実用新案に関するご相談にも対応いたしますので、何かありましたらお気軽にご連絡下さい。

今日は以上です。