特許庁の手続に関し、公示送達制度が導入されました

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

令和5年7月3日から、国際郵便の引受停止に伴う公示送達制度が導入されましたので、今回はこれについて書きます。

郵便ポストのイラスト

従来の特許法等では、日本国内に住所又は居所、法人にあっては営業所を有しない者(在外者)に対しての送達は、在外者に特許管理人があるときは、その特許管理人に送達し(特許法第192条第1項)、在外者に特許管理人がないときは、在外者に直接、航空扱いとした書留郵便等に付して発送することとされていました。(特許法第192条第2項)。

しかしながら、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大、また、ウクライナ情勢により、一部の国・地域においては国際郵便の引受けが長期間停止されているため、書類の送達をすることができず、審査や手続の進行に以下のような弊害が生じていました。

そこで、令和5年6月7日に可決・成立した「不正競争防止法等の一部を改正する法律案」により、国際郵便の引受停止により在外者への発送が困難な状況が6か月間継続した場合には、公示送達※がなされることになりました。

日本に在住する方や日本に本店所在地を有する企業にとっては、ほどんど関係のない公示送達の話になりますが、特許庁も手続の効率化に取り組んでいます。

何れは、書類の送付制度もなくなってしまうのかもしれませんね。

今日は以上です。

※公示送達とは、通常の手段では送達できない場合に送達をするための手段であり、公示されることによって送達されたものとみなされることになります。

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