独占禁止法に関する相談事例集(令和4年度)

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

今年度も2023年6月30日に「独占禁止法に関する相談事例集」の令和4年度版が公表されましたので、今回はこれをご紹介します。

独占禁止法に関する相談事例集(令和4年度) 表紙
引用:独占禁止法に関する相談事例集(令和4年度)

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独占禁止法に関する相談事例集は、公正取引委員会が毎年公表しているもので、今回ご紹介するものものは、令和4年度に受けた相談事例をまとめたものになります。

今回の相談事例集には、知的財産に直接関係する事例は収録されておりませんが、次の9件の相談事例が収録されています。

  1. 事業者の活動に関する相談
    1. 小売業者4社が、物流の2024年問題の解消に向けて、卸売業者に対する商品の発注において、①納品期限に係る商習慣を見直し「2分の1ルール」を採用すること、②定番商品について納品を希望する日の前日の正午までに発注するようにす ること、③特売品等について発注から納品を希望する日までの期間を6営業日以上設けること及び④発注に係るデータの形式を標準化された規格で行うことに取り組むことを共同で宣言する行為
    2. 依頼者から請け負った貨物の運送を行う事業者が、自らが運営するシステムにおいて、自社及び競争者の貨物の運送状況等に関する情報を集約し、それぞれの依頼者が自ら依頼した貨物の運送状況等を確認できるようにする取組
    3. アジレント・テクノロジー株式会社が、実質的にみてエンドユーザへ販売していると認められるとして、 卸売業者に対して医療機器等の販売価格を指示すること
  2. 事業者団体の活動に関する相談
    1. 農作物αの加工事業者を組合員とする協同組合が、組合員が免税取引先から農作物αを仕入れる場合に当該取引先に対して消費税相当額を負担しないことを決定すること
    2. 医療関連の検査業務を営む事業者を会員とする団体が、会員の取引先である医療機関に対し、業界の窮状を訴える文書を発出すること
    3. 小売業者を会員とする団体が、会員の各店舗の従業員等の労働環境改善に向けた取組を後押しするため、労働環境改善に向けた行動指針を作成すること
    4. 一般社団法人日本アルミニウム 協会が、会員事業者の供給製品の原材料等に係る市況の推移、コストや価格転嫁の状況等の調査の実施及び公表を行うこと
    5. 医薬品メーカーを会員とする団体により構成される連合会が、傘下団体の会員である医薬品メーカーを対象に、会員医薬品メーカーの取引先である卸売業者に対する医薬品の出荷状況等の実態調査の実施及び公表を行うこと
    6. 運送業務を営む事業者を組合員とする協同組合が、共同事業として行うチケット事業において組合員に対してチケット換金手数料を徴収するに当たり、免税組合員に対しては、従来のチケット換金手数料に加え消費税相当額として仕入税額控除に係る経過措置を考慮しない 10%分の金額を徴収すること

気になる事例がありましたら、是非この事例集を読んでみることをお勧めいたします。

弊所では、独占禁止法も絡む知的財産に関するご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。

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