映画のセリフを翻訳して勝手に公開すると著作権侵害になります!

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

先日、DVD発売前の海外映画のセリフを勝手に翻訳し、日本語字幕データをインターネットに公開したとして、著作権法違反容疑で容疑者が逮捕されたという報道がありました。

映画館のイラスト報道によると、映画「ポルタ―ガイスト」の英語字幕を翻訳サイトなどを使って和訳し、それを海外の字幕専用サイトに公開していたそうです。

「英語の字幕を和訳することぐらい、お金儲けもしていないのだからいいじゃないの?」と考える方もいるかもしれません。

ただ、映画の評価的側面を考えると、「日本で公開される洋画の日本語字幕版は、配給会社、日本語版制作会社および翻訳者がオリジナル版の意向を最大限に汲み、心血を注いで作り上げたものです。」(引用:日本国際映画著作権協会HPに掲載されていた映画翻訳家協会会長 アンゼたかし氏のコメント)ということで、あまりにも品質の低い翻訳だと、その翻訳の質が原因で映画自体の評価が下がってしまう可能性があります。

また、映画の法的(著作権法)側面を考えると、著作権法第27条には「著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。」と規定されており、著作物を翻訳(和訳)するには著作権者の承諾が必要とされています。
ちなみに、映画のセリフも当然著作物に該当します。

これらのことから、今回の容疑者の逮捕は、映画の評価的側面だけでなく、法的側面でも妥当なものと思います。

映画のセリフを勝手に翻訳して公開するのは辞めましょう!

ただ、間違えないで欲しいのは、本件は勝手に翻訳したセリフをインターネットに公開したということが問題なのであって、翻訳の勉強のために、映画のセリフを”個人的に”翻訳(和訳)することは著作権法違反ということにはなりません(著作権法第43条)。

翻訳家のたまごの方は、勉強のために、安心して映画等のセリフを”個人的に”どんどん翻訳(和訳)してください!
(間違っても、翻訳したものをブログ等に掲載してはいけません。)

著作権は、非常に複雑な権利です。
翻訳に伴う著作権の処理について、何かありましたら弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。

追記:映画翻訳家協会のHPが参照できなくなったので、そのリンク先を削除(2019/5/12)