商標審査に「ファストトラック審査」が導入されます

商標審査に「ファストトラック審査」が導入されます

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

ファストトラック審査」をご存知でしょうか?

ファストトラック審査」とは、2018年(平成30年)10月1日から適用される審査運用で、所定の指定商品・指定役務のみを指定している商標登録出願を早期に審査するというものです。

特許庁のプレスリリースによると、この審査運用を行うことにより、所定の要件を満たす商標登録出願については、その他のものと比較して、審査時におけるファーストアクション(FA)※までの期間が2ヵ月程度早くなるそうです。

ファストトラック審査の説明図
引用:特許庁HP

近年、商標登録出願数が増え(特許庁ステータスレポート2018によれば、2017年は190,939件)、審査期間が延びています。
(弊所では、クライアントに対し、商標審査に関して2年前と比較してファーストアクションまでの期間が2ヵ月程度延びていると説明しています。)

このままでは、未審査案件の滞留が予想されるので、それを防ぐために、簡単に審査できるものを先にするというファストトラック審査を運用することにしたのではないかと思います。

さて、この「ファストトラック審査」ですが、特別な手続や手数料を支払うことなく、勝手に適用されます。

ただ、その対象は、次のような商標登録出願(新しいタイプの商標および国際商標登録出願を除く)に限定されています。

  1. 出願時に、「類似商品・役務審査基準」、「商標法施行規則」または「商品・サービス国際分類表(ニース分類)」に掲載の商品・役務(以下、「基準等表示」)のみを指定している商標登録出願
  2. 審査着手時までに指定商品・指定役務の補正を行っていない商標登録出願

このように指定商品・指定役務の範囲を限定することによって、商標登録出願に記載された指定商品・指定役務の表現を認めるか認めないか判断する工程を省略することができます。

その結果、素早く実体審査(類否判断等)を行うことができることになります。

特許庁のプレスリリースによると、特許庁は、当面はファストトラック審査を「試行」として実施し、効果が見込めることが判明したら本格導入ということにするようです。

商標登録出願は、特許出願と異なり、審査結果は早ければ早いほど望ましいので、この運用でFAまでの期間が実際に短縮されることを期待しましょう。

弊所では、商標登録出願(早期審査手続を含む)から権利侵害・ライセンス契約まで一貫したサポートを行っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。

※審査時におけるファーストアクション(FA)とは、特許庁から出願人への審査結果の最初の通知(登録査定通知や拒絶理由通知等)をいう。

※特許庁ステータスレポート2018のリンクを削除および特許庁のプレスリリースのリンクを修正(2019/11/16)

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