ライセンス契約書を作成する際に役立つ資料18

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

今回は、ロイヤルティ監査に関する資料(知的財産のライセンス契約に伴うロイヤルティ監査に関する調査研究報告書)を紹介します。

ライセンス契約書を作成したり、検討したりする際に、「乙は、本契約期間中及び終了後5年間、第○条の実施料の支払の基礎となる会計帳簿、そのほかの関係書類を保管する。甲は、本項の会計帳簿その他の関係書類を閲覧・検査(複写を含む)をできるものとする。」という、いわゆる監査条項を見かけることが多いと思います。打ち合わせのイラスト

この条項を実際に適用した経験がある企業は少ないかもしれませんが、重要な条項です。

以前契約書チェックを行っていた時に、クライアントから「契約相手先がこの条項を削って欲しいと言っているので、削っても問題ないですよね?」と質問されたことがあります。

その際は「いえいえ、この条項は非常に重要な条項なので、安易に削らない方がいいですよ!」とアドバイスしたことがあります。その時の説明に、この資料を利用しました。

この資料によると、『ロイヤルティに関する調査・監査により過少払い又は未払いが発見されることが「ある」と回答している。また、「ある」と回答した企業では、調査・監査を行ったうちの約5割の確率で過少払い、未払いが発見されると回答している。』(vi頁参照)そうです。

そうであるならば、ライセンサーはライセンシーに対してロイヤルティ監査を積極的に行った方が良いのかもしれません。

ただ、日本企業は性善説の立場に立っていることが多いので、信用していないと誤解されやすいロイヤルティ監査をライセンシーに対して積極的に行い難いのかもしれません。

また、ロイヤルティ監査を行うには専門家の費用等が発生するので、それらの費用に見合うロイヤルティが得られるライセンス契約に対してしか、ロイヤルティ監査を行えないという現実もあります。

このような現実もありますが、監査条項をライセンス契約に規定することで、「いつでも監査に入れるのだからロイヤルティをごまかさない方がいいよ!」と暗黙の裡にプレッシャーをかけることができるので、会社の方針でロイヤルティ監査は行わないという企業でも積極的に監査条項を規定することをお勧めいたします。

ちなみに、ロイヤルティ監査の仕方についても記載されていますので、興味のある方は是非読んでみてください。

弊所では、ライセンス交渉・契約書に関するご相談も承ります。
ライセンス契約等に不安がある方は、ロイヤルティ監査を含めて弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。

追記:資料の保存場所が変更になったので、それに合わせてリンク先を変更(2018/8/5)
追記2:資料の保存場所が変更になったので、それに合わせてリンク先を変更(2019/3/13)