ライセンス契約書を作成する際に役立つ資料20

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

今回は、微生物等の遺伝資源を利用するときに役立つ資料(遺伝資源へのアクセス手引)を紹介します。

2018年5月に、新版が公表されました!
遺伝資源へのアクセスの手引き(ABS対応版)の情報はこちら

皆さんは、2010年10月に第10回生物多様性条約締約国会議(COP10)で採択された「名古屋議定書」を覚えていますか?
この資料は、「名古屋議定書」を受けて改訂されたものです。

この資料は、もともと1993年発効した生物多様性条約(CBD)を踏まえて作成されたものです。

生物多様性条約では、遺伝資源を利用する際には、資源提供国の事前同意を得ること、遺伝資源の利用から生ずる利益は公正かつ衡平に配分することを定めています。また、第6回生物多様性条約締約国会議(COP6)遺伝資源へのアクセスと利益の配分を確保するため、法令、行政措置や契約作成の参考となる任意のガイドライン(ボン・ガイドライン)が採択されています。

しかし、ボン・ガイドラインでは法的拘束力がなかったことから、法的拘束力がある名古屋議定書が採択されることになりました。
(名古屋議定書には、遺伝資源の提供国の措置と釣り合いの取れた利用国での遵守措置、アクセスと利益配分に関するクリアリング・ハウスの設置等を規定しています。)

この資料には、CBD、名古屋議定書およびボン・ガイドラインにおける考え方等や、実際に起こり得るトラブルや、その際の解決案等も掲載されています。

たとえば、
海外の市場で購入したり、農家が好意で提供してくれた在来の種子や作物を、日本に持ち込み遺伝資源として活用するにはどうしたらいいのでしょうか?
という質問に対する回答が記載されています。

実際に読んでいただければ詳細は分かりますが、このような場合には、相手国がCBDの締約国であれば、それらの種子等を入手する前に、予め相手国から事前の情報に基づく同意(Prior Informed Consent:PIC)を得ておくことが植物の写真必要とのことです。

今後、新薬や食品原料等の開発・生産に遺伝資源を活用しようと考えている方は、共同研究開発契約やライセンス契約を締結する前に、対象となる遺伝資源がCBDに違反していないか必ず確認するようにしてください。

なお、弊所では遺伝資源を用いた特許出願やライセンス契約等のご相談も承っております。
これらについて何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。

追加:新版の情報を追加しました(2018/5/14)