地理的表示保護制度の未来

地理的表示保護制度の未来

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こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

今回は、弊所が「伊予生糸」を申請代理している地理的表示保護制度(地理的表示法)の未来について書きたいと思います。

現時点の地理的表示保護制度は、日本国内において、登録された地理的表示(「○○りんご」等)を知的財産として保護するというものです。

GIマーク
GIマーク

一方、海外については、各国でGIマークを商標登録することで、GIマークを不正に使用した場合に、各国で商標法で取り締まるという仕組みとなっています。
つまり、海外では地理的表示自体は直接保護されないということになります。

これでは、海外についてはあまり意味がないと思われる方もいるかもしれません。
(海外で保護するにはその国で商標登録するしかないと思われるかもしれません。)

しかし、ここでTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を思い出してください。
昨年大筋合意したと報道されたTPPですが、その対象分野に知的財産権も含まれています。そこで、TPPをテコにして、他の国との間で地理的表示の相互保護が実現するかもしれません!

実際に、農水省では、地理的表示の相互保護の枠組みづくりに取り組んでいるようです。
地理的表示法Q&Aの最終ページをご覧になってください。)

この相互保護の枠組みができれば、日本国内と同様に、海外でもその国の行政が不正表示を取り締まってくれることになるのかもしれません。
不正表示を防止するために、商標権のようにその国で訴訟を提起することなく、その国の行政が取り締まってくれるのであれば、その効果は金銭的にも、人的資源の面からも素晴らしいものになると思います。

まだあまり認知されていない地理的表示保護制度ですが、今後の農林水産物の輸出を考えている方は是非活用を考えてみてください。

地理的表示保護制度を利用するには、その申請を行う必要があります。弊所では、弁理士として日本で初めて申請代理を行った実績があります。
地理的表示保護制度の活用を考えている方は、気楽にお問い合わせください。

追記:
2016年の年末に改正地理的表示法が施行されました。
この改正地理的表示法により、地理的表示の相互保護が成立した国(TPPに加盟していない国を含む)に対しては、個別に地理的表示申請を行うことなく、その国において地理的表示が保護されることになります。

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