国内知財訴訟費用保険が販売されます

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

先日、海外知的財産訴訟費用保険が創設されたことについてブログに書きましたが、今回は国内知財訴訟費用保険が販売されたことについて書きます。

この国内知的財産訴訟費用保険は、損害保険ジャパン日本興亜株式会社が2016年7月から販売を開始した新たな保険になります。

以前にも同様の保険が存在していたようですが、実質的な販売活動は停止されているようです。

法廷のイラストさて、この国内知的財産訴訟費用保険ですが、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の発効を見越して開発されました。

2016年2月に合意したTPPでは、被害企業が損害額を算定できない場合でも、侵害行為を立証できれば最低額の賠償金を受け取ることが可能となる「法定損害賠償金※」の導入が規定されています。

そこで、日本でも米国のように知的財産訴訟が増加が想定されるということで、保険が必要になると考えているようです。

確かに、知的財産訴訟は、一般訴訟より高額になる場合が多いです。

通常の訴訟では、弁護士だけで訴訟を進めることができますが、知財訴訟、特に特許権侵害訴訟のような技術的な事項が重要なファクターとなる訴訟では、弁護士以外に弁理士も訴訟代理人または補佐人として関与することが多いです。

その結果、弁護士費用だけでなく弁理士費用もかかるため、訴訟費用が高額になることが多くなります。

今回の国内知的財産訴訟費用保険は、これらの費用も補償対象となるので、安心して訴訟に臨める環境ができるかもしれません。
(現時点では、訴訟費用に耐えられないということで、訴訟を断念する中小企業も多いです。)

アメリカのように、取り敢えず訴訟!という社会を望んでいる訳ではありません。
しかし、せっかく取得した知的財産権を正当に使えないというのは、知的財産権の創成に関与している身としては残念と思っていたので、少しでも知的財産権の活躍の場が広がればと考えています。

現時点(2016年7月上旬)では、保険料等について詳細に分かっていないので、是非加入してください!とは言えませんが、一度検討してみては如何でしょうか?

ちなみに、この国内知財訴訟費用保険で取り扱う権利は、特許権、意匠権、実用新案権および商標権だけで、著作権等の知的財産権は対象外のようです。

また、海外知的財産訴訟費用保険の場合とは異なり、現時点(2016年7月上旬)では、この国内知財訴訟費用保険については補助金等がないようです。

ご注意ください。

弊所では、特許権、意匠権、実用新案権および商標権に関する訴訟についてのご相談も承っております。
これらの訴訟(警告書を含む)について何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。

法的損害賠償金とは、損害の程度に応じて賠償額を算定するのではなく、制定法の範囲内で損害賠償金を規定するものをいう。