中小企業の知的財産戦略を考える際に役立つ資料10

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

今回は、中小企業の知的財産管理にも役立つ資料(公的試験研究機関 知的財産管理活用ガイドブック)をご紹介します。

研究者のイラストこの資料は、公的試験研究機関における知的財産管理活用を支援するために、特許庁が取りまとめたものですが、法務部や知的財産部を設けておらず、知財担当者も選任の方がいないような企業にも役立つものと思います。

さて、このガイドブックの内容ですが、次のような大項目で記載されています。

  1. 自組織の知的財産活動調査・診断
  2. 知的財産ポリシー
  3. 知的財産活動計画の立案
  4. 組織
  5. 人材
  6. 知的財産制度の普及啓発と効果的な研修方法
  7. 的財産に関する予算立案
  8. 規定類の整備
  9. 調査から係争までの実務の留意点
  10. 知的財産の管理
  11. 技術相談および受託研究等の留意点
  12. 研究開発テーマ検討
  13. 革新的技術シーズの収集と発明の発掘
  14. 研究開発時の留意点
  15. 研究開発成果についての留意点
  16. 外部機関との連携

知的財産を管理するために必要となる上述した項目が網羅的に記載されているため、ページ数が多く(180ページ程)、一気に読むことは難しいと思います。
ですので、何か困ったことがあった場合に、それに関連したところをその都度読むという使い方になると思います。

まず、このガイドブックの面白いところは、自組織の知的財産管理のレベルをチェックできる知的財産管理レベルチェックシートが付録として記載されているということです。

ですので、自社の知的財産管理についてよく分からない企業または担当者は、まずこのレベルチェックシートを使って、自社の知的財産管理のレベルとチェックしてみるのは如何でしょうか?

そして、チェックシートで「実行していない項目」にチェックした事項についてこのガイドブックを参照するという使い方が良いと思います。

次に、このガイドブックの面白いところは、機関(会社)の規模に見合った知的財産組織体制について記載されているところです。

組織体制としては、次の3つの場合を挙げています。

  1. 小規模機関(50名以下)の知的財産組織体制
  2. 中規模機関(51~200名)の知的財産組織体制
  3. 大規模機関(201名以上)の知的財産組織体制

中小企業の方が参考にできるのは、上記のうち、1または2の体制になると思いますが、このガイドブックでは特に1を重点的に説明しており、「外部知的財産専門家のチェックポイント」も掲載されています。是非使ってみてください!

この他、次の規程類のポイントも参考例と共に挙げられています(規定自体のサンプルは記載されていません)。

  • 守秘管理規程
  • 受託研究取扱規程
  • 共同研究取扱規程
  • 職務発明規程
  • 知的財産評価規程
  • 営業秘密管理規程
  • 成果有体物取扱規程

これらの規程には、民間企業にはあまり必要もないものも含まれていますが、公的な研究機関がどのような規程に縛られているかを理解するのに役立つかもしれません。

以上説明した事項以外にも様々な事項がこのガイドラインには記載されていますので、知的財産管理をどうすればよいか分からないという企業は活用しては如何でしょうか?

今日は以上です。