審査請求する前の先行技術調査の費用を補助してくれる制度をご存知ですか?(2017)

審査請求する前の先行技術調査の費用を補助してくれる制度をご存知ですか?(2017)

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)が、中小企業等に対して、審査請求をする前に行う先行技術調査にかかる費用の一部を負担してくれる中小企業等特許情報分析活用支援事業をご存知ですか?レポートのイラスト

この事業は、権利化される見込みのない発明に係る無駄な審査請求を回避することを目的として行われている事業です。

この制度の対象者としては、次の者が該当します。

  • 中堅・中小企業の方
  • 個人事業者の方
  • 中堅・中小企業者で構成されるグループの方
  • 地方公共団体
  • 公設試験研究機関
  • 都道府県等中小企業支援センター
  • ものづくり組合等の生産者事業協同組合
  • 大学、高等専門学校、高等学校等の教育機関等

申請手続としては、事前に「特許情分析会社等リスト」から分析を依頼する1社と、対応する文献範囲、分析の対象とする10の請求項を決定し、利用申込書を作成する必要があります。

そして、採択されると、料金の一部を支払うことにより、上記の範囲で先行技術調査を行ってくれます。

ちなみに、INPITが64,800円を負担してくれるので、本来は、「支払った料金 + 64,800円」分の先行技術調査を行ってくれることになります。
お得ですね!

以前から多数の特許出願をしている企業であれば、それらの特許化の手続きを行う過程で、大体の先行技術の動向を把握できるようになっていると思います。

一方、あまり特許出願を行っていない企業の場合には、そのような機会がないため、先行技術の動向を把握していないことが多く、特許になる可能性がどれくらいあるかよくわからないのではないでしょうか?

そのような場合には、是非この制度を活用してください!

特許分析会社から提出される先行技術調査報告書を読むことにより、無駄な審査請求をしなくても済むかもしれません。
また、先行調査報告書に記載されている情報を踏まえて、新たな特許出願を行うことができますので、全く無駄になることはありません。

最低でも10,800円の利用者負担がかかりますが、それ以上の成果を得られるのは確実です。

弊所でも、対象になるクライアントに勧めて行こうと思います。

今日は以上です。

追記:2017度の中小企業等特許情報分析活用支援事業のWebページが削除されたので、それに合わせてリンク削除(2019/7/20)

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